1993 Fiscal Year Annual Research Report
成人スチル病の高フェリチン血症に関する研究:産生機序および病態への関与の検討
Project/Area Number |
05670436
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大田 俊行 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10140930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 助手 (30248562)
白川 文彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (10158967)
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Keywords | フェリチン / 成人スチル病 / Con-A / 鉄 / サイトカイン / 活性酸素 / 等電点 / クロマトフォーカシング |
Research Abstract |
本年度の研究によって以下の知見が得られた。 1.成人スチル病患者の血清フェリチンのうち糖結合フェリチンと糖非結合フェリチンの割合はCon-A Sepharoseを用いて再度解析したところ血清フェリチンが500〜800mg/dl程度の場合は糖結合フェリチンの割合が高かったが1500ng/ml以上の例で圧倒的に糖非結合フェリチンの割合が高かった。2.クロマトフォーカシングによる等電点の検討では多くの例でpI5.1-5.6であったが糖結合フェリチンはpI4.9-5.5でありpI5.0以下の酸性フェリチンの存在を認めた。3.Western blotによるフェリチンサブユニットの解析では糖結合フェリチンの割合の高い検体では19KのLサブユニットと23KのGサブユニットを認めた。一方糖非結合フェリチンの高い例はLサブユニットのみを認めた。4.成人スチル病患者の血清サイトカインレベルをELISA法にて測定した。IL-1beta、TNF-alpha、IL-8といった炎症性サイトカインはいずれも活動期は非活動期に比べて有意に高値であった(それぞれp<0.01)5.フェリチン分子内の鉄を測定したところ、フェリチン重量当たりの鉄含有量は活動期成人スチル病患者では、非活動期患者に比して低下していた。 以上より活動期成人スチル病では高サイトカイン血症を呈しており、高フェリチン血症の発生、誘導へこれらサイトカインが関与している可能性が示唆された。一方著増血清フェリチンが本症の病態に何らかの関与があるかという点に関して我々は血清フェリチン中の鉄を介したHO発生による組織障害機序を考えてきたが活動期血清フェリチン分子内の鉄含有量はむしろ低いとする結果を得た。この結果の解釈として(1)血清フェリチンは組織で産生され、そこでHO発生に関与した後のフェリチンをみているために鉄含有量が低い(2)フェリチンの異常産生時では鉄がフェリチン分子内に十分とり込めないため鉄含有量が低いの2点が考えられ、さらに検討を要する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ota,Toshiyuki: "Increased serum ferritin levels in adult still's disease" Lancet. (1). 562-563 (1987)
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[Publications] Ota,Toshiyuki: "Serum ferritin as a useful test for diagnosis of adult Still's disease" Jpn.J.Rheum.2. 119-125 (1990)
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[Publications] Ohta,Akihide: "Adult Still's disease:A multicenter survey of Japanese patients" J.Rheum.17. 1058-1063 (1990)
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[Publications] Yamaguchi,Masaya: "Preliminary criteria for classification of adult still's disease" J.Rheum.19. 424-430 (1992)