1993 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ患者リンパ球に特異的に機能する細胞接着分子・液性因子に関する研究
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05670438
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| Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
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Principal Investigator |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 助手 (30248562)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 文彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (10158967)
大田 俊行 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10140930)
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
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| Keywords | 慢性関節リウマチ / T細胞 / 滑膜細胞 / 接着分子 / インテグリン / サイトカイン / ケモカイン / プロテオグリカン |
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| Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)の関節滑膜には著明な活性化リンパ球浸潤が認められ病態の中心をなす。本研究においては、T細胞の組織内浸潤機構、及び滑膜組織内のT細胞活性化機構に焦点を当て検討した。
1.T細胞のRA滑膜への浸潤機構に関する検討:T細胞と血管内皮細胞の接着は組織内浸潤の最初のステップで、申請者らはその過程は接着カスケードにより構成される事を提唱した。今回【.encircled1.】滑膜組織内T細胞が、IL-1やTNFalphaに加えMIP-1beta等のchemokineを大量に産生する事、【.encircled2.】RAとOAの比較検討で、RA滑膜においてMIP-1beta、及びMIP-1betaを固相するプロテオグリカンが血流に抗して内皮細胞上に検出される事、【.encircled3.】IL-1やTNFalphaは、内皮細胞上の接着分子発現を増強する事、【.encircled4.】プロテオグリカン固相化MIP-1betaは、T細胞インテグリンを活性化し内皮細胞上の接着分子との接着を誘導する事を認めた。異常の事実は、接着分子のみならず、サイトカインやプロテオグリカンがT細胞の滑膜組織内浸潤に重要な役割を有する事を示したもので、新たな見地からの疾患制御の可能性を示唆するものである。
2.T細胞と滑膜細胞の活性化機構:【.encircled1.】T細胞インテグリンLFA-1とRA滑膜細胞ICAM-1が両細胞間接着の中心的パスウエイである事、【.encircled2.】LFA-1はT細胞活性化においてcostimulatoryシグナルとして機能しMIP-1betaやIL-1等のサイトカインの産生を誘導する事、【.encircled3.】滑膜細胞のサイトカイン産生もICAM-1を介した接着により誘導される事、【.encircled4.】免疫組織学的手法により、ICAM-1陽性滑膜細胞の周囲のLFA-1陽性T細胞の集簇的な浸潤が確認された。以上より、滑膜細胞及び滑膜内T細胞の活性化、サイトカイン産生、増殖において接着分子を介したシグナルが中心的役割を担う事が示唆され、疾患制御における接着分子制御の重要性を示した。
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[Publications] 田中良哉: "RAにおける接着分子の過剰発現とその制御の可能性" 臨床免疫. 26. 190-197 (1994)
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[Publications] 田中良哉: "慢性関節リウマチとサイトカイン" Mebio. 11. 24-32 (1994)
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[Publications] 田中良哉: "接着分子と臨床" 医学のあゆみ. 168. 174-176 (1994)
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[Publications] 田中良哉: "T細胞接着カスケード:接着分子・接着誘導分子・サイトカイン・プロテオグリカンの作用機構" 日本臨床免疫学会雑誌. 16. 486-491 (1993)
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[Publications] Schweighoffer,T.: "Selective expression of integrin alpha_Abeta_7 on a subset of human CD4+ memory T cells with hallmarks of gut-trophism" Journal of lmmunology. 151. 717-729 (1993)
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[Publications] Tanaka,Y.: "T-cell adhesion induced by proteoglycan-immobilized cytokine" Nature. 361. 79-82 (1993)
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[Publications] 田中良哉: "抗サイトカイン療法.慢性関節リウマチ治療の新たなアプローチ" 先端医学社(印刷中), (1994)
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[Publications] Tanaka,Y.: "Regulation of leukocyte recruitment by proadhesive cytokines immobilized on endothelial proteoglycan In Adhesion in leukocyte homing and differentiation" Springer-Verlag,Berlin, 260 (1993)
