1994 Fiscal Year Annual Research Report
染色体6p21に胃潰瘍の原因遺伝子の一つが存在するか?
Project/Area Number |
05670461
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
郡 大裕 福井医科大学, 医学部, 助教授 (70079820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 健 福井医科大学, 医学部, 助手 (60221040)
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Keywords | 胃潰瘍 / ペプシノーゲン / HLA / 染色体6番 |
Research Abstract |
本研究は、多因子性遺伝疾患と考えられる消化性潰瘍に対して、種々の遺伝子マーカーを用い、その遺伝的背景因子を検討した。胃体部潰瘍において、染色体6番短腕に位置するペプシノーゲンC(PGC)遺伝子およびHLA‐DQA遺伝子の多型性と相関が認められた。PGC遺伝子は第7エクソンと第8エクソンとの間のイントロンでpolymerase chain reaction(PCR)で480bp(allele1),450bp(allele2),400bp(allele3),310bp(allele4)の4つの対立遺伝子型が認められ、allele4を有しallele3を持たない者の胃体部潰瘍の相対危険率は13.69であった。一方、HLA‐DQAの対立遺伝子型1^*0101を有する者の胃体部潰瘍である相対危険率は2.81であった。本研究の結果より、胃潰瘍は潰瘍の部位により、胃体部潰瘍と胃角部および胃前庭部潰瘍とでは異なった遺伝的背景因子が考えられ、胃体部潰瘍の関連遺伝子の一つが染色体6番の短腕に位置する可能性が考えられた。また、胃十二指腸併存潰瘍においても胃潰瘍同様な潰瘍部位による遺伝的背景因子の違いが認められた。PGC遺伝子は染色体6p21に位置しており、HLA‐DQA遺伝子とは11センチモルガン離れており、今後、染色体6番短腕の局在をさらに詳しく検討することが必要であると考えられた。
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