1993 Fiscal Year Annual Research Report
肝障害からその後の組織修復におけるプロテオグリカンの役割に関する研究
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05670476
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小出 典男 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20142333)
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Keywords | extracellular matrix / D-gal肝障害 / proteoglycan / decorin / syndecan / fibroglycan |
Research Abstract |
ラット・D-galactosamin肝障害モデルを作成し、障害発生から8週にわたり組織と血清サンプルおよびヒト劇症肝炎の剖検組織を対象とした。これらを材料として、collagen type I III IV,fibronectin,lamininのほか、decorin、ヘパラン硫酸側鎖、コンドロイチン硫酸側鎖の組織染色を行ったところ、障害早期(6時間)に特異的にヘパラン硫酸の肝細胞からの一過性の消失とIto細胞でのコンドロイチン硫酸PGの産生が起こることが判明した。特にコンドロイチン硫酸系のプロテオグリカンについては障害早期に門脈域から中心静脈に向けて肝類洞の沿って放射状に染色性が一過性に増強する相と障害後3日以降に線維化に平行して染色性が増強する相の異なる2相があることが判明した。Collagenや構造糖蛋白の染色性の亢進はむしろ障害後3-4日を経て起こることが判明した。こうした組織化学的な変化がどのようなPG遺伝子の発現に依存しているのかを検索するため、ヘパラン硫酸系とコンドロイチン硫酸系PGに分けてそれぞれのコア蛋白遺伝子のcDNAをcloningしている。現在までヘパラン硫酸系PGに属するfibroglycanとコンドロイチン系PGに属するdecorin、biglycanのcDNAがほぼ調製できている。FibroglycanについてはcDNAに対応する蛋白を発現させmouse monoclonal抗体を作成する過程に入っている。
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[Publications] Koide N,Tsuji T: "Small dermatan sulfate/chondroitin sulfate proteoglycans andhepatocyte spheroids." Tiss Cult Res Commun.11. 339-344 (1992)
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[Publications] 小出典男、高畠弘行、他: "肝細胞spheroidをバイオリアクターとする人工肝機能補助装置のプロトタイプ開発." 組織培養. 18. 418-423 (1992)
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[Publications] Yumoto Y,Jinno K,他: "Treatment of hepatocellular carcinoma by transcatheter hepatic arterial injection of radioactive iodized oil solution." Cancer Chemotherapy and Pharmacology.31. S128-136 (1992)
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[Publications] Hada H,Koide N,他: "Classification of hepatitis C virus into subgroups on the basis of sequence variations in the envelope protein" J Gasroenterology and Hepatology. 8. S70-74 (1993)
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[Publications] 小出典男: "肝細胞の接着と分化機能発現の関連" 肝臓研究の進歩. 19. 1-10 (1993)
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[Publications] 小出典男: "肝の細胞外マトリックスと疾患" Connective Tissue. 25. 213-218 (1993)
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[Publications] 小出典男: "7.治療薬剤 C型肝炎治療マニュアル 編集辻孝夫" 株式会社医薬ジャーナル, 131 (1994)
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[Publications] 小出典男、長島秀夫: "総論 5章、免疫不応答 「臓器と免疫」 辻孝夫編集 全3" 文永堂出版, 978 (1992)