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1993 Fiscal Year Annual Research Report

慢性肝傷害と肝癌におけるmet癌原遺伝子・tpr-met癌遺伝子の発現

Research Project

Project/Area Number 05670500
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

小笠原 久隆  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40112817)

Keywords慢性肝障害 / 肝癌 / 前肝癌病変 / met癌原遺伝子 / 遺伝子発現 / 肝細胞増殖因子 / DNA合成
Research Abstract

肝細胞癌は慢性肝障害とりわけ肝硬変に発症することが多く、また、肝硬変では血中肝細胞増殖因子(HGF)が高いことより、多段階発癌過程の1つとしてHGFの関与が推察されている。本研究ではHGFのレセプター遺伝子c-metについて、実験的慢性肝障害ならびに肝癌発癌過程において発現が増幅しているかどうか検討を行った。更に、肝癌発癌過程におけるc-met遺伝子とHGFによるDNA合成能についても検討を行った。
慢性肝障害はラットに四塩化炭素を投与して肝硬変を作製し、前肝癌病変はラットにDENを投与し、また、肝癌は3′‐Me‐DABを投与して作製した。肝組織よりmRNAを抽出し、RT‐PCR法にて得たラットc‐met cDNAをプローブとして、Northern blot解析を行った。前肝癌病変、肝癌病変では肝細胞を初代培養し、HGF(10ng/ml)を培地に添加して、二重免疫染色法にてGST‐P陽性細胞[(前)肝癌細胞]におけるDNA合成細胞(5BrdU陽性)の比率(labeling index:LI)を求めた。また、DNAを抽出し、上記プローブにてSouthern bolt解析を行った。
肝硬変ではc-met mRNAは正常に比較して軽度増加し、前肝癌病変、肝癌病変では1.5‐2.0倍に増加していた。また、前肝癌細胞ではHGF添加によりLIは76%と非添加の18%に比較して著明にHGFに応答してDNA合成を示した。肝癌においてはより低い応答であった。Southern bolt解析ではc-met遺伝子の増幅は認められなかった。
以上の成績より、肝癌発癌過程においてc-met遺伝子の増幅は認められなかったが、c-met遺伝子の発現は増加し、また、DNA合成能に及ぼすHGFの作用は顕著で、前肝癌病変の進展にHGFの関与が示唆された。

URL: 

Published: 1995-03-23   Modified: 2016-04-21  

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