1993 Fiscal Year Annual Research Report
単離大腸粘液細胞培養系を用いた粘液生合成の生理的役割とその病態に関する検討
Project/Area Number |
05670504
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島本 史夫 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00211285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 雄二郎 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
|
Keywords | 大腸粘液細胞 / 単離細胞 / 粘液 |
Research Abstract |
モルモット大腸粘膜から粘液細胞を単離するために、新鮮大腸標本から粘膜のみを鈍的に剥離し、コラゲナーゼやEDTAにより酵素処理して細胞を分離し、ベックマン社製エルトリエーターを用いた対抗流遠心分離法により大腸上皮細胞を単離した。単離細胞の大部分はPAS染色やレクチン染色により胞体内に粘液を含む粘液細胞と確認された。単離細胞は24時間浮遊培養が可能で、viabilityは80%以上であった。単離培養細胞の粘液生合成活性を測定するために、3Hでラベルしたglucosamineを培養液中に添加し、24時間培養後培養細胞を超音波破砕、超遠心して上清を採取した。セファロース4Bカラムにより粘液糖蛋白質豊富な分画を抽出し、経時的に粘液糖蛋白質分画を測定すると、そのピークは時間とともに上昇しており、培養細胞を粘液を新たに生合成していることが確認された。3Hチミジン取り込みによるDNA合成も増加していた。 一方、単離大腸粘液細胞単層培養系の作製を継続して行っているが、完全な単層培養系の作製にはさらに方法・技術の改善を必要とする。細菌の混入は細胞単離過程や培養期間中の清潔操作や抗生物質添加によりほぼ妨げるようになった。しかし、単離細胞の培養期間延長に比例して線維芽細胞の増殖がみられるため、その増殖を抑制する方法を検討中である。
|