1995 Fiscal Year Annual Research Report
単離大腸粘液細胞培養系を用いた粘液生合成の生理的役割とその病態に関する検討
Project/Area Number |
05670504
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Research Institution | The second Department of Internal Medicine Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島本 史夫 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00211285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 雄二郎 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20278526)
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Keywords | 大腸粘液細胞 / 粘液 / レクチン |
Research Abstract |
モルモットおよびヒト大腸摘出新鮮標本から、既報にしたがって粘液細胞のみを単離し、24時間培養した。培養細胞の生存率は80%以上であり、^3Hでラベルしたチミジンおよびグルコサミンを添加し、さらに3時間培養したところ、経時的にDNA合成や粘液生合成活性の増加が確認された。各種薬剤を同時添加して3時間培養後、粘液生合成活性を測定した。非ステロイド系消炎鎮痛剤であるインドメサシン添加では、細胞生存率・細胞障害性は低濃度では変化なかったが、高濃度では生存率低下・障害性増強がみられたことから、高濃度インドメサシンには大腸粘液細胞に対する細胞障害性が示唆された。一方、増殖因子の一つであるEGF添加により細胞生存率は上昇し、細胞障害性は低下がみられることから、EGFには細胞保護作用があることが示唆された。粘液生合成活性は、全ての濃度のインドメサシンで低下しており、EGF添加では全ての濃度で有意な変化はみられなかった。このことから、大腸粘液細胞の保護・障害に対する粘液合成の増減の意義は、胃粘膜における胃粘液の粘液細胞保護作用機序とは異なっている可能性が示唆された。そこで、大腸粘液細胞内の粘液糖蛋白質の糖鎮構造を、レクチン組織化学的方法と、レクチンプレートアッセイ法による生化学方法で検討した。その結果、各種薬剤添加による粘液細胞粘液生合成活性の増減にもかかわらず、細胞内粘液糖蛋白質の糖鎖末端糖残基に変化はみられず、粘液組成にも変化は来していないものと推察された。なお、予定していた癌関連遺伝子発現の有無は本実験系の条件設定の都合で、今後引き続き検討していく予定である。
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