1993 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝肝硬変症および原発性硬化性胆管炎の病態解明
Project/Area Number |
05670507
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
向坂 彰太郎 久留米大学, 医学部, 講師 (90158923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 和久 久留米大学, 医学部, 助手 (00186909)
原田 大 久留米大学, 医学部, 助手 (00241175)
釈迦堂 敏 久留米大学, 医学部, 助手 (80241181)
吉武 正男 久留米大学, 医学部, 助手 (40182745)
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Keywords | IgA / 原発性硬化性胆管炎 / 培養肝細胞 / 培養胆管細胞 |
Research Abstract |
肝臓における胆管の機能と病態解明のため、次の2つを行っている。 1.ラット肝ならびにモルモット肝より肝細胞および胆管細胞をコラゲナーゼ灌流法を用いて分離し、オートラジオグラフィーと、金コロイドラベルのIgA(ヒト)を用いて、電顕的にIgAの肝での輸送を観察し、また、ヒト肝生検切片を用いたオートラジオグラフィーも行った。ヒトおよびモルモット肝ではIgAは胆管上皮細胞に結合した。培養モルモット胆管上皮細胞では、IgAは細胞内をvesicular transportされて管腔側へと輸送された。ラットでは、同様に肝細胞内を輸送され毛細血管内へ分泌された。このことよりヒトおよびモルモット肝ではIgAは胆管レベルで胆汁中に排泄され、ラットでは肝細胞より排泄されることがわかった。このようなIgAの管内での輸送・分泌細胞に種差が存在することは、胆管系におけるself-defense機構の差を示唆するものと考えられる。 2.ラット腸管にブラインドループを外科的に作成し、数か月後に肝および肝外管を観察した。光顕的には、肝内ならびに肝外胆管の著明な増生がみられ、これらの胆管周囲にはリンパ球ならびに好酸球、形質細胞の浸潤をみた。また、手術後時間を経過したものでは、さらに胆管周囲の線維増生を認め、マロリーアザン染色でも、明らかな線維増生として観察された。このような変化は、ヒトの原発性硬化性胆管炎と極めて類似した形態と考えられる。このため、今後これを原発性硬化性胆管炎の動物モデルとして使用できると考え、現在、形態学的観察や免疫学的観察を行っている。
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Research Products
(1 results)