1994 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変症および原発性硬化性胆管炎の病態解明
Project/Area Number |
05670507
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
向坂 彰太郎 久留米大学, 医学部, 講師 (90158923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 大 久留米大学, 医学部, 助手 (00241175)
釈迦堂 敏 久留米大学, 医学部, 助手 (80241181)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 原発性硬化性胆管炎 / 培養胆管細胞 |
Research Abstract |
PBC肝におけるHeat Shock Proteinの発現について検討を加えたところ、この蛋白は主として門脈域胆管上皮内に強く発現し、また、門脈周囲の一部の肝細胞にも発現をみた。一方対象として観察した慢性肝炎肝では、同蛋白の発現は門脈周囲肝細胞につよく発現し、胆管上皮での発現はみられなかった。現在、Piecemeal Necrosisとの関係を検討中である。以上から、同蛋白の発現の局在を観察することにより、病変の首座が明らかにできるものと考えられる。また、Asymptomaticの症例や、血液生化学との関係を今後検討していく予定である。一方、現、在PBCにおけるアポトーシスの検討を行い、さらに、アポトーシスと浸潤リンパ球および胆管上皮に発現するHLA ClasII抗原の発現との関係についても検討を加えている。 PSCの動物モデルにおいて、エンドトキシンの病態成立への関与を検討するため、同動物の肝内および肝外胆管を抗LPS抗体を用いて検討した。LPSは肝外胆管の陰窩様に陥凹した部位に局在することがわかった。また、染色性は弱かったが、肝内胆管にも同抗体の反応を見た。今後さに検討を加えう予定である。この動物モデルの肝内および肝外胆管の状態を観察するため、逆行性の胆管造影を行ったところ、ヒトPSCの胆管造影でみられるように、総胆管および肝内胆管の狭窄像が観察された。以上から、この動物モデルはヒトのPSCIIきわめて類似した病像を呈し、その発症についてエンドトキシンをはじめとした腸管由来の因子の関与を検討するのに適しているものと考えられる。
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