1993 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸菌のmacrophage内殺菌機構回避メカニズムの解明
Project/Area Number |
05670525
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村山 尚子 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (70182136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 文幸 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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Keywords | M.avium complex / ヒト単球 / 65kD抗原 / hsp60 / heat shorle protein |
Research Abstract |
macrophage内に貪食された抗酸菌がストレス蛋白を合成し種々の殺菌機序を回避している可能性につき検討を行なった。 ヒト末梢血より密度法により単核球成分を分離し、ヒトAB型血清を含むRPMI1640培地中で2時間培養後、非付着細胞を洗浄除去しヒト単球由来のmacrophageの単層培養とする。over night培養後の細胞に、当教室で開発し維持しているM.avium complex(MAC)強毒株31F093Tを1細胞当り10CFU感染させた。6時間CO_2 incubatorで培養後、培地で洗浄し細胞外の抗酸菌を除去し更に96時間培養した。超音波破砕器を用いて細胞のみを破壊し抗酸菌を採取し、、ガラスビーズ、lyxozyme、proteinase-Kを用いて抗酸菌を破壊後AGPC法によりRNAを抽出した。抽出したRNAよりreverse transcriptaseを用いてcDNAを合成し、6KD抗原をcodeするgeneに特異的なprimerを用いてPCR法によリ383bpの遺伝子配列を増幅し電気泳動により検出した。また、細胞外の抗酸菌についても、同様の処理を行ないRNAを抽出し、65kD抗原をcodeするgeneのmRNAの有無を検出した。その結果、細胞に貪食されていない状態の抗酸菌では65kD抗原の合成を示すmRNAの存在が示されたが、逆に細胞に貪食された抗酸菌では65kD抗原の合成を示すmRNAの存在を検出できなかった。細胞内で抗酸菌は種々のストレスに対し各種の蛋白を合成し対処していると考えられるが、今回の検討では、65kD抗原の細胞内での合成を示す所見は得られなかった。今後は更にhsp familyに属する他の蛋白質についても同様の検討を行なう必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)