1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670554
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小池 亮子 新潟大学, 医学部・附属病院(神経内科学), 助手 (60234671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 省次 新潟大学, 脳研究所(神経内科学), 教授 (70150612)
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Keywords | X染色体 / 副腎白質ジストロフィー / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
伴性劣性遺伝性神経疾患の中で、1993年フランスのMandelらのグループによりその原因遺伝子として有力と考えられる遺伝子が単離された副腎白質ジストロフィー(Adrenoleukodystrophy:以下ALDと略)を中心に遺伝子解析を進めた。 疾患の細胞株の確立に関してはALD患者の培養皮膚線維芽細胞ならびにリンパ芽球を計50家系確立し、それぞれよりDNA,RNAを抽出し遺伝子の解析に用いた。このうちの日本人ALD患者37家系においてはputativeALDgeneの異常が存在するかどうかを明かにするために本遺伝子の第1から第10の各エクソンをプローブとして用いサザン解析を行い、成人発症の臨床亜型を呈する2症例で本遺伝子のコーディング領域内に互いに重なりのない欠失が存在することを明かにし、その遺伝子欠失領域を正確に決定した。そのことから本遺伝子がALDの原因遺伝子であることを確認した。また本遺伝子の点変異を検出する方法としてDNAシークエンサーを用いた直接塩基配列決定法を確立し、ALD患者において数カ所の点変異を検出した。現在それがALDの病因と直接関連するものかどうか検討している。 一方本遺伝子の産物であるALD proteinの各部位のアミノ酸配列に対応する抗体を作成した。さらにリコビナント蛋白を作成中である。今後それらを用いてALD proteinの機能およびALDの病態についての生化学的検討を行なっていく予定である。
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