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1994 Fiscal Year Annual Research Report

神経変性疾患脳における脳内微小血管の特性と血管内皮機能に関する研究

Research Project

Project/Area Number 05670559
Research InstitutionHIROSHIMA UNIVERSITY

Principal Investigator

三森 康世  広島大学, 医学部, 助手 (50166112)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 片山 禎夫  広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00211160)
Keywordsアルツハイマー病 / パーキンソン病 / βアドレナリン受容体 / 脳内微小血管 / 細動脈 / 毛細血管 / アセチルコリンエステレース
Research Abstract

アルツハイマー病,パーキンソン病といった原因不明の神経変性疾患において,脳内の毛細血管などの微小血管,とくに血管内皮がどのような役割を有しているのか検討する目的で,凍結保存された患者剖検脳よりTsujiらの方法を用いて脳内微小血管を単離し,その生化学的特性を検索した。微小血管分画は細動脈主体の分画と毛細血管分画に分けて比較した。まず脳循環調節や血液脳関門機能,とくに透過性や物質輸送に重要であるβアドレナリン受容体の変化を検討した。中枢神経系に異常を認めなかった対照脳と比較すると,アルツハイマー病脳(N=6)では細動脈においてのみβ受容体数の減少が認められた。親和性は差がなかった。大脳皮質実質ホモゲネートではβ受容体数は変化しておらず,細動脈分画でみられたβ受容体数の減少は血管特有の変化と考えられた。さらに少数例の検索ではあるが,パーキンソン病脳(N=2)から分離した細動脈,毛細血管におけるβ受容体数,親和性は対照と差を認めなかった。また脳血管性痴呆例(N=3)での細動脈,毛細血管β受容体数及び親和性は症例によるばらつきが大きく,血管障害の部位差や程度を反映している可能性が考えられた。さらにアルツハイマー病脳内微小血管についてはアセチルコリンエステレース(AChE)活性とそのアイソザイムを測定した。脳実質のAChE活性は対照脳に比し,有意に低下するが,細動脈,毛細血管ではその比活性は有意に増加した。血管にみられるAChEはA型などの高分子量のものが中心であるが,アルツハイマー病血管ではこれら高分子量AChEも増加しているが,異常に重合したG型も含まれていることが示唆され,蛋白代謝が変化している可能性が想定された。これら脳内血管系の変化はある程度疾患特異性があり,神経変性における意義は依然不明であるが,その病態や症候と関連している可能性がある。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 三森康世: "加齢とリンパ球βレセプター" 自律神経. 31. 390-394 (1994)

  • [Publications] 中村重信: "脳血管障害と脳変性疾患による巣状態-新しい方法による検討" 神経心理. 10. 109-113 (1994)

  • [Publications] 亀井英一: "痴呆性疾患における中潜時聴性反応(MAEP)の検討" 神経研究の進歩. 38. 667-671 (1994)

  • [Publications] 三森康世: "アルツハイマー病における脳内微小血管βアドレナリン受容体の異常" PROGRESS IN MEDICINE. 15(発表予定). (1995)

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Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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