1995 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における皮膚および脊髄の架橋結合に関する研究
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05670574
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Research Institution | Teikyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾野 精一 帝京大学, 医学部, 助教授 (20191968)
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Keywords | 筋萎縮性側素硬化症 / 膠原線維 / 架橋結合 / 皮膚 / 脊髄 / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
著者のこれまでの研究より筋萎縮性側素硬化症(ALS)患者の皮膚の膠原線維には病理学的、生化学的に特異的な変化のみられることが明らかになった。従って本研究の目的は、このような皮膚にみられた所見がALSの病変の主座である脊髄にみられるかどうか確認することにある。 平成7年度では以下のような研究をおこなった。正常人6例の脊髄C5、Th4、L4の前角、錐体路、後索の各部分をドライアイスの中で凍結したまま約200mg(wet weight)を取りだし、0.015モルのTES bufferで洗浄後、凍結乾燥した。次にN_2を3〜5分間あてた後、115℃、24時間、6規定のHCIで水解し、個々のsampleをアミノ酸分析機にかけハイドロキシプロリン(hydroxyproline, Hyp)を測定した。その結果、Hypの量はC5においては前角が8.48nmol/mg、錐体路が6.45nmol/mg、後索が15.8nmol/mg、Th2では前角が9.24nmol/mg、錐体路が6.98nmol/mg、後索が17.2nmol/mg、L4では前角が8.26nmol/mg、錐体路が7.21nmol/mg、後索が17.41nmol/mgとHypの量はC5、Th2、L4いずれにおいても後索が前角、錐体路に比較して有意に多かった(p<0.02)。Hypは膠原線維の特異的な構成アミノ酸であり、Hypの量はつまり膠原線維の量をあらわしている。従って本研究の結果は運動ニューロンにおいて膠原線維の量は感覚ニューロンにおけるよりもはるかに少ないことを示しており、このことはALSの発症メカニズムに膠原線維が関与しているとする筆者の仮説を強く支持するものである。 一方、glycosaminoglycanは膠原線維の架橋結合に大きな影響を与えることが知られているが、ALS患者の皮膚および尿においてヒアルロン酸が対照群と比較して著明に増加しており、かつALSの経過と正の相関がみられることが明らかになった。しかし、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸など他のglycosominoglycanはALSと対照群との間で差はみられず、このことはALS患者にみられる膠原線維の変化はヒアルロン酸と密接な関係のあることを示唆している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ono S, et al: "Elastin cross-linking in the skin from patients with amyotrophic lateral sclerosis" J Neurol Neurosurg Psychiatry. 57. 94-96 (1994)
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[Publications] Ono S, et al: "The amorphous material of skin in amyotrophic lateral sclcrosis" Neurolgy. 44. 537-540 (1994)
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[Publications] Ono S, et al: "Peripheral neuropathy associated with dialysis amyloidosis" J Neurol Neurosurg Psychiatry. 57. 1137-1138 (1994)
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[Publications] Ono S, et al: "Neuronal loss in the dorsal raphe nucleus and the superior central nucleus in myotonic dystrophy : a clinicopathological correlation" Acta Neuropathol. 89. 122-125 (1994)
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[Publications] Ono S, et al: "Myotonic dystrophy with alveolar hypoventilation and hypersomnia. A clinicopathological study" J Neurol Sci. 128. 225-231 (1995)
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[Publications] Ono S, et al: "A new familial disorder presenting with amyotrophic lateral sclersis-like manifestation. A clinicopathological study" J Neurol Sci. 134. 160-165 (1995)
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[Publications] 尾野精一(分担執筆): "神経内科Quick Reference、第2版" 文光堂, (1995)
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[Publications] 尾野精一(分担執筆): "神経内科学" 朝倉書店, (1995)