1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670575
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
臼杵 扶佐子 帝京大学, 医学部, 講師 (50185013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
|
Keywords | 糖原病II型 / acidalpha-glucosidase(GAA) / GAA前駆体 / 筋芽細胞 / 治療 |
Research Abstract |
糖原病II型のモデル動物である日本ウズラ糖原病II型の筋芽細胞を用いてin vitroにおける治療実験を行った。また,ウズラGAAcDNAのクローンを得ることを目的としたPCR実験を行った。まず,ウズラ胸筋のprimarycultureより筋芽細胞を得た。この筋芽細胞よりAGPC法にてRNAを抽出,逆転写酵素によりcDNAとした。既知のヒトacidalpha-glucosidase(GAA)cDNAの塩基配列を基に作製したプライマーを用いてPCRを行ったところ,590bpのバンドが得られた。現在,このPCR産物の塩基配列の検討を行っている。GAAは高分子前駆体として細胞内で合成され,一旦細胞外へ分泌された後,再び細胞内へとりこまれmature typeへと転換される。このGAA前駆体の特徴的な合成経路に着目した治療実験を行った。即ち,正常同種細胞と欠陥細胞を混合培養し,欠陥細胞に正常細胞より分泌された正常GAA前駆体がとりこまれ,酵素活性が回復するかどうか検討した。糖原病II型筋芽細胞と10%の正常筋芽細胞を混合培養し融合させたhybrid myotubeの実験系では,10日間培養後,活性値は正常の27%から54%へと約2倍に上昇し,さらに30%の混合培養ではほぼ正常の活性値に回復した。従って、正常GAA前駆体は欠陥細胞内へとりこまれ,mature typeへと正常に転換していくものと考えられる。正常細胞の割合をどこまで少なくできるかが今後の課題であるが,この方法は糖原病II型の有用な治療法として応用可能と思われる。cDNA導入した自家筋芽細胞でも正常なGAA前駆体が合成され,混合培養した欠陥細胞のGAA活性の回復が得られるか検討していく必要がある。
|