1993 Fiscal Year Annual Research Report
広汎及び局所脳虚血における病態とtherapentic windowの解明
Project/Area Number |
05670576
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
篠原 幸人 東海大学, 医学部・内科, 教授 (60051504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灰田 宗孝 東海大学, 医学部・内科, 講師 (20208408)
高木 繁治 東海大学, 医学部・内科, 助教授 (70102853)
山本 正博 東海大学, 医学部・内科, 助教授 (80095661)
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Keywords | 細胞性浮腫 / NMR / NMDA receptor antagonist / L型Ca blocker / N型Ca blocker / SOD / RBC-aggregation |
Research Abstract |
本研究の目的は、虚血性脳血管障害の病巣中心部(Core)に置ける病態を十分に把握し、その適切な治療法と病態生理を動的・多面的な研究から追究することであった。虚血性病変の中心部では、まず細胞性浮腫(cytotoxic edema)が生じるが,NMRを用いてT_2(横緩和時間)の連続記録から定量的にかつ経時的に浮腫進展状況を検討すると、浮腫は虚血直後から発生し、約20分でピークに達した。 これに対し、MK-801などのNMDA receptor antagonist,nimodipine,nicardipine等のL型Ca channel blockerなどは、有意に浮腫形成速度を遅延させた。また、N型Ca channel blockerであるSNX-111は、ラット局所脳虚血モデルにおいて、梗塞中心部の細胞外glutamate濃度の上昇を脳血流に関係なく抑制した。同様に、superoxide dismutase(SOD)やNO自体も、このglutamate上昇を抑制することが証明された。 NMDA receptor antagonistやL型Ca channel blockerは、実験の性質上虚血作製前に投与せざるを得なかったが、N型Ca channel blocker,SODなどは,虚血モデル作製30分以上投与でもglutamate上昇を抑制することが示された。 SODはまた、急性期血管閉塞時にみられる白血球刺激による赤血球凝集能亢進をも抑制することが証明され、これら薬剤の広汎および局所脳虚血モデルにおいて有効に作用することが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shinohara Y et al: "Can measurement of CSF _1-antichymotripsin be a useful tool for differential diagnosis of vascular." J Stroke Cerebrovasc.Dis.2. 234-236 (1992)
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[Publications] 灰田宗孝ほか: "完全脳虚血における細胞障害性浮腫進展への温度の影響" Therapentic.Res.14. 2309-2313 (1993)
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[Publications] Shinohara Y et al: "Optical Imaging of Brain Function and Metabolism" Plenum press, 43-46 (1993)