1993 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症におけるユビキチン陽性封入体の特異性についての研究
Project/Area Number |
05670578
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水谷 智彦 日本大学, 医学部, 助教授 (00166018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 重雄 日本大学, 医学部, 助手 (40060165)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ユビキチン / 運動ニューロン疾患 |
Research Abstract |
本年度は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)23例、ALS以外の神経疾患(non-ALS)28例、非神経疾患のコントロール37例の腰仙髄をそれぞれ抗ユビキチン(Ub)抗体にて染色した。その結果、【.encircled1.】filamentous封入体、【.encircled2.】円形封入体、【.encircled3.】神経細胞のび慢性染色像、の3種類のUb陽性像が認められた。このうち、filamentous封入体は、19例のALS、1例のnon-ALSにみられ、円形封入体はALSの2例に認められたが、コントロール例では観察できなかった。神経細胞のび慢性染色像は、non-ALSとコントロール例でそれぞれ1例ずつみられた。このUb陽性filamentous封入体の出現頻度はALS例に有意に多かった(p<0.01)ことから、Ub陽性filamentous封入体がALSに特異性の高いものであるという結果が得られた。これは、従来の報告を裏付けるものであったが、多数のnon-ALS例を検索してみると、稀ではあるが、類似したUb陽性封入体のみられることが分かった。 ALS例、non-ALS例、コントロール例の腰仙髄についての免疫組織化学染色は、ほぼ終了した。ALSにみられたUb陽性封入体とnon-ALSの1例にみられた封入体の免疫電顕的検索は、次年度に行う予定である。また、また、免疫電顕に関しては、染色スライドより電顕的に検索する方法では、Ub陽性封入体の保存が悪く、詳細な微細構造が分かりにくかったので、次年度は、vibratomeによって50mumの厚さの切片を作成して免疫染色を行い、それを電顕的に検索する方法を併用することにした。Ub陽性封入体と臨床データとの相関については、次年度に行うこととした。
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