1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管性痴呆及びアルツハイマー型痴呆における神経ペプチドの病態生理学的意義
Project/Area Number |
05670579
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
満間 照典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00111857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿山 正人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60177615)
足立 皓岑 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (80131217)
広岡 良文 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90126821)
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Keywords | 脳血管性痴呆(VD) / DAT / CSF / CRH / GHRH / TRH受容体 |
Research Abstract |
平成6年度においては昨年度に引き続き脳血管性痴呆(VD)及びアルツハイマー型痴呆(DAT)における神経ペプチドの病態生理学的意義を明らかにするため、両疾患の脳脊髄液(CSF)中の神経ペプチド濃度を測定し、病態との関連について検討を加えた。VD20例,DAT20例及び神経疾患や内分泌疾患を認めない対照群20例で腰椎穿刺でCFSを採取した。CSF中のcorticotropin-releasing hormone(CRH),growth hormone-releasing hormone(GHRH)を各々のラジオイムノアッセイ法で測定した。VD,DATでCRH濃度が対照群より低い傾向を認めたが、有意ではなかった。GHRH濃度は対照群と同様な値であった。この様に有意ではなかったがCRHが低い傾向を認めたことはCRHが記憶に関係しているとの報告と考え合わせると興味深い成績であり、今後例数を増やして検討する予定である。さらに、本年度は神経ペプチドの作用を明らかにするため、神経ペプチドの受容体の中でthyrotropin-releasing hormone(TRGH)の分布を検討した。まずTRH受容体に特異的な抗体を作成した。その方法は、TRH受容体の15-28のアミノ酸よりなるペプチドを合成して、これに牛血清アルブミンに結合してこれを抗原にして家兎に感作して作成した。この抗体を用いて間接免疫組織抗体法でラットの生体内TRH受容体の分布を観察したところ、TRH受容体は生体内に広く分布することが認められた。TRH受容体の認められた部位は従来からTRHが存在する部位として知られている。従って、これらの成績はTRHがこれらの部位でparacrineまたはautocrine的に作用していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)