1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管性痴呆及びアルツハイマー型痴呆における神経ペプチドの病態生理学的意義
Project/Area Number |
05670579
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Research Institution | AICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
満間 照典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00111857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿山 正人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60177615)
足立 皓岑 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (80131217)
広岡 良文 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90126821)
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Keywords | 脳血管性痴呆 / DAT / CSF / ソマトスタチン受容体 / TRH受容体 |
Research Abstract |
脳血管性痴呆(VD)及びアルツハイマー型痴呆(DAT)における神経ペプチドの病体生理的意義を明らかにするため、両疾患の脳脊髄液(CSF)中神経ペプチド濃度を測定した。substance P及びvasoactive intestinal polypeptide (VIP)をラジオイムノアッセイ法で測定した。両ペプチドは両疾患で低い傾向が見られたが有意ではなかった。この結果と両ペプチドが中枢神経系に高濃度に存在し、種々の作用を発現していることを考え合わせると興味深い成績であり多数例での検討を行う予定である。また、ペプチドの作用機序を明らかにするため、昨年度に引き続きソマトスタチン受容体(SSTR)type1と2の生体内分布を検討した。まずSSTR type1とtype2に特異的な抗体を作成した。その方法はSSTR type1 type2の構成するペプチドの一部を合成し、それらの合成ペプチドと牛血清アルブミンを結合して、結合物を抗原として兎に感作して作成した。この抗体を用いて間接免疫組織抗体法でラットの生体内分布を観察したところ、両受容体共に、ラットの生体内に広く分布することを認めた。さらに、人下垂体前葉や脊髄に両受容体が存在することを認めた。両受容体を認めた部位は従来ソマトスタチンが存在することが知られているところである。従って、ソマトスタチンはこれらの部位でparacrineまたはautocrine的に作用しいると考えられ、ソマトスタチンと痴呆との関連を受容体の変化から捕らえる方法を確立した。
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[Publications] 相沢いずみ他: "脳血管性痴呆およびAlzheimer型老年痴呆における脳脊髄液中の神経ペプチドの変動に関する研究" 愛知医科大学医学会雑誌. 22. 557-566 (1994)
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[Publications] 寺尾心一他: "小脳症候のみを主徴とする上小脳動脈領域梗塞の臨床特徴-とくに発症機序と背景因子について-" 臨床神経学. 35. 256-261 (1995)
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[Publications] 劉寧波他: "Adrenomedullinのラット生体内分布-免疫酵素抗体法による検討" 愛知医科大学医学会雑誌. 23. 313-319 (1995)
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[Publications] Mitsuma T et al.: "Distribution of thyrtropin-releasing hormone receptor in rats: An immunohistochemical study." Endocrine Regulation. 29. 129-134 (1995)
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[Publications] Mitsuma T et al.: "Distribution of thyrteopin-releasing hormone receptor in rats studing with an immunohistochemistry" J Aichi Med Univ Assoc. 23. 349-356 (1995)