1993 Fiscal Year Annual Research Report
心筋βアドレナリン受容体情報伝達機構における脱感作発現に関する研究
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05670587
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
長谷部 直幸 旭川医科大学, 医学部(第一内科), 助手 (30192272)
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Keywords | Western blotting / アデニル酸シクラーゼ / ポリクロナール抗体 / monocrotaline / Northern blotting / アデニル酸シクラーゼType V,VI cDNA / 右室肥大 / アデニル酸シクラーゼ触媒部位活性 |
Research Abstract |
平成5年度までの研究経過 1.Western blottingやimmunoprecipitationに用いるアデニル酸シクラーゼ(AC)抗体を作製中である。既報のAC(Type V,VI)のアミノ酸配列のうち,既存の抗体と共通性のない部分をそれぞれ2種類づつ計4種合成し,keyhole limpet hemocyanin(KLH)と結合させて抗原性を高めて,ウサギに静注しポリクロナール抗体を作製した。抗体の力値はELISA法で確認しているが,その力値はやや低く,平成6年度にも抗原を追加してその力値を高める。 2.monocrotaline(40mg/kg)を1回SDラットに筋注することで,2週目より肺高血圧ができ,3週目より右室肥大・不全心になる。それらの右室・心室中隔・左室を分け,Jones法によって心筋粗膜分画を作製した。 3.それぞれの膜分画を,AC抗体と市販のC kinase I(γ),II(β),III(α)抗体を用いて,右室肥大・不全心の心筋粗膜分画のそれぞれの蛋白量を定量した(Western blotting)。ACのポリクロナール抗体では,鮮明な画像はまだ得られていない。C kinaseの量は右室肥大・不全心となっても,コントロールと比べて大きな変動は見られず,C kinaseの蛋白量は肥大・不全心では変化していないと思われた。 4.右室肥大・不全心の心筋からpoly A^+ RNAを抽出し,ACのType V,VI cDNA(Ishikawa,J Biol Chem 267:13553,1992;Katsushika S,Proc Natl Acad Sci USA 89:8774,1992)でhybiridizationし,mRNA bandからGAPDHの量を基準として,定量化した(Northern blotting)。右室不全末期において右室,心室中隔ではType VとVIのAC mRNA発現量の低下が認められ,これに伴いAC触媒部位も低下していた。直接的に圧負荷・肥大を認めない左室でも,同時期にType VおよびType VIのAC mRNA発現量とAC触媒部位活性が低下していた。一方,心不全に至っていない右室肥大心でもType VおよびType VIのAC mRNA発現量は低下していたが,AC触媒部位活性は低下していなかった。
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