1993 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性と動脈硬化:動脈壁細胞の糖輸送担体とGTP結合蛋白質の役割
Project/Area Number |
05670600
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
藤原 隆一 福井医科大学, 医学部, 助手 (70251999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 継彦 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40019609)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / 動脈壁細胞 / 糖輸送担体 / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
Wisterラット胸部大動脈中膜より培養血管平滑筋細胞を調整し10%胎児牛血清含有DMEM培地で継代培養した。35mmプラスチック培養ディッシュに平滑筋細胞を播種し、10%胎児牛血清含有DMEM培地で炭酸ガス培養器内で培養した。細胞がconfluentに達した時点で種々のグルコース濃度(0〜25mM)の無血清DMEM培地に培地交換し、24時間培養してGo期に導入した。Go期の細胞を種々のグルコース濃度(0〜25mM)および種々のインスリン濃度(10^<-10>〜10^<-6>M)の無血清培地に培地交換後、更に30分培養を続けた後2-deoxy-D[^3H]glucoseの取り込みを検討した。D-グルコース取込みは0〜15分の取込み時間では、各濃度のグルコース下で直線性に増加した。従って2-deoxy-D[^3H]glucoseの取込み実験は2-deoxy-D[^3H]glucose添加5分後に測定した。0〜5.5mMのグルコース濃度では11〜25mMのグルコース濃度よりも2〜3倍の糖取込み促進を示し、0mMグルコース濃度で最大となった。低濃度よりも高濃度グルコース下で、インスリンの糖輸送促進効果は大きくあらゆるグルコース濃度においても、インスリンは濃度依存性にD-グルコース取込みを促進した。この結果より、Go期の培養血管平滑筋細胞はグルコースを枯渇させることによりインスリン感受性糖輸送担体の細胞膜へのtranslocationが亢進し、インスリン感受性が高まることが推測される。また、我々の実験に使用した培養血管平滑筋細胞では、IGF-IによってはD-グルコース取込みは変化せずIGF-Iは糖輸送促進効果を有しないと考えられた。
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