1993 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンによる交感神経活動への影響及び機序の検討
Project/Area Number |
05670618
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今泉 勉 九州大学, 医学部, 講師 (60148947)
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Keywords | インシュリン / ラット / 交感神経活動 / 脳室内投与 / 高血圧 |
Research Abstract |
(はじめに)高インスリン血症が高血圧を来す可能性が示唆されている。その機序の一つとして、インスリンが交感神経緊張亢進を来すと考えられている。事実、euglycemic clampを用いてインスリンを静注すると、血中のカテコーラミンは増加し、また直接に測った交感神経活動も増加すると報告されている。しかしインスリンは血管拡張作用を有するので、交感神経活動亢進は神経反射を介する可能性が残る。そこで本研究の第一の目的は、インスリンを直接脳室内に投与し、インスリンが神経反射を介さずに交感神経緊張亢進を来すか否かを検討することにある。一方、自然発症高血圧ラット(SHR)の発症機序の一つとして交感神経活動亢進が示唆されている。そこで本研究の第2の目的は中枢に投与したインスリンがSHRでより著明に交感神経活動亢進を来すか否かを検討することにある。(方法)ラットをalpha-クロラロース麻酔、人工呼吸器下に脳固定装置に固定する。血圧を大腿動脈より記録し、心拍数を算出する。インスリンが作用する部位は筋肉なので、筋肉を支配する神経、即ち腰部交感神経を剥離同定する。脳室内にインスリン4及び40muUNITSをそれぞれ20分間側脳室内に投与し、血圧、心拍数及び腰部交感神経活動の変化を記録する。交感神経活動の変化が、インスリンの全身への漏れによる低血糖によるものでないことを検討するために血糖値を測定する。また脳室内投与と同量のインスリンを全身投与し、交感神経活動への影響を調べる。更にはインスリンが動脈圧受容器反射に影響するか否かを検討するためにインスリン投与前後で、フェニレフリン静注による、心拍数、交感神経活動の変化を記録して圧受容器反射の検討を行う。(結果)インスリンの脳室内投与は腎交感神経活動を亢進した。腰部交感神経神経については検討中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Masaki H.et al.: "Effect of a novel oral V_1 receptor antagonist,OPC-21268 on arginine vasopressin-induced sympatho-inhibition." Am.J.Physiol.264. R1089-R1094 (1993)
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[Publications] Imaizumi T.et al.: "Contribution of wall mechanics to the dynamic properties of aortic baroreceptors." Am.J.Physiol.264. H872-H880 (1993)
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[Publications] Masaki H.et al.: "Production of chronic congestive heart failure by ventricular pacing in rabbits." Cardiovascular Res.27. 828-831 (1993)
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[Publications] Harada S.et al.: "Inhibition of nitric oxide formation in the nucleus tractus solitarius increases in renal sympathetic nerve activity in rabbits." Circulation Res.72. 511-516 (1993)
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[Publications] Tagawa T.et al.: "Vasodilatory effect of arginine vasopressin is mediated by nitric oxide in human forearm vessels." J.Clin.Invest.92. 1483-1490 (1993)
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[Publications] Imaizumi T.et al.: "Transfer function analysis from arterial baroreceptor afferent activity to renal nerve activity in rabbits." Am.J.Physiol.(in press).
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[Publications] 今泉勉: "目で見る循環器病シリーズ。心不全 ショック" 東京メディカルレビュー社, 145 (1993)
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[Publications] 今泉勉: "NOとNOS基礎と臨床" 東京メディカルレビュー社, 202 (1993)