1993 Fiscal Year Annual Research Report
再灌流障害におけるスーパーオキサイドとEDRF(NO)の相互作用と組織障害性
Project/Area Number |
05670635
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一守 康史 東海大学, 医学部, 助手 (60184636)
|
Keywords | スーパーオキサイド / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / キサンチンオキシダーゼ / NADPHオキシダーゼ / 培養心筋細胞 |
Research Abstract |
1)O_2^-とNOの相互反応 キサンチン(X)/キサンチンオキシダーゼ(XO)系を用いO_2^-を2nM/sec発生させている系に種々の濃度のNO溶液を加えると、NOによるO_2^-の消去により化学発光値は減少した。その後化学発光値は次第に増加し、小さいオーバーシュートを示した後に元の値に戻った。オーバーシュートはO_2^-とNOの反応によって生成したONOO^-に依存した発光であることが示唆された。合成したONOO^-投与で発光はONOO^-の濃度依存性に増加し、cysteine(25muM)の存在下では消光した。 2)活性酸素生成系に対するNOの抑制効果 生体内のO_2^-を生成する酵素群(XOとNADPHオキシダーゼ(NADPH-Ox))に対するNOの作用を検討した。NOはNADPH-Ox活性を一過性に、また濃度依存性に抑制した。NOによる抑制効果はNADPH-Ox活性化過程における蛋白の集合や解離とは直接の関係はなかった。また、XOもNOの投与によって可逆的に抑制された。 3)活性酸素、NO、ONOO^-の細胞障害性の検討 マウス胎児の培養心筋細胞を用いて収縮性、細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)、細胞膜流動性の変化及び過酸化脂質量、細胞内ATP量を測定した。200muM ONOO^-の添加により心筋細胞の自動拍動は5分以内に拡張期で停止し、蛍光指示薬(Ca-green)を用いて測定した[Ca^<2+>]_iは、収縮期レベル付近まで上昇した。細胞内ATPの有意な減少は認められず細胞内pHの著しい変化も見られなかった。細胞膜流動性の変化もなく過酸化脂質量も増加していなかった。O_2^-とNOの反応により生じるONOO^-は細胞膜の障害を伴わずに収縮障害を生じる。
|
-
[Publications] Ichimori K,Arroyo CM,Pronai L,Fukahori M,Nakazawa H.: "The reactions of 3′5-dibromo-4-nitrosobenzenesulfonate and its biological applications." Free Rad Res Comms.19. 129-139 (1993)
-
[Publications] 有田真、佐藤俊明、石田英之、中澤博江: "虚血で生じる脂肪酸中間代謝体の催不整脈作用と抗不整脈作用の細胞電気生理学的機序" 臨床病理. 41(4). 401-407 (1993)
-
[Publications] Kashem A,Endoh M,Nomoto Y,Sakai H,Nakazawa H.: "Concomitant increase of Fc d Rexpression an polymorphonuclear lenkocyte and superoxide generation in IqA nephropathy." Kidney Int.(印刷中).
-
[Publications] Fukahori M,Ishida H,Ichimori K,Nakazawa H,Okino H.: "Nitric oxide reversibly supresses xanthine oxidase." Free Rad Res Comm.(印刷中).