1994 Fiscal Year Annual Research Report
Ischemic preconditioningの効果、機序に関する研究
Project/Area Number |
05670638
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
草間 芳樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (40169983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 佳子 日本医科大学, 医学部, 助手 (10267213)
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Keywords | ischemic preconditioning / arrhythmia / ischemia / reperfusion |
Research Abstract |
1)Ischemic preconditioning(IP)の抗不整脈作用へのadenosine、A1受容体刺激の関与 IPによる虚血性不整脈抑制作用にadenosine、A1受容体刺激が関与しているかを調べるため、IP、adenosine、選択的A1受容体刺激薬である2-chloro-N-cyclo-pentyladenosine(CCPA)の虚血前反復投与の虚血性不整脈に対する影響をした。実験モデルは潅流ラット心を用い、30分間の冠動脈結紮中の心室性不整脈発生頻度、発生頻度の時間的推移を検討、以下の結果を得た。i)IPにより虚血中の心室性不整脈(VPC,VT,VF)の発生が抑制された。発生頻度の時間的推移の検討から、この効果は虚血性不整脈発生の遅延ではなく、真の発生頻度低下であった。ii)adenosine、A1受容体選択的刺激薬の虚血前反復投与により同様に不整脈発生頻度が低下した。iii)以上から、IPによる虚血性不整脈抑制にadenosine、A1受容体刺激が関与している可能性が示された。 2)ATP感受性K^+チャネルの再潅流不整脈に対する効果 Ischemic preconditioningに関連しATP感受性K^+チャネルの虚血心筋保護作用が注目されている。ATP感受性K^+チャネル開口薬の再潅流不整脈に対する影響を調べるため、潅流ラット心を用いATP感受性K^+チャネル開口薬(Y-26763)を虚血前に投与し10分間冠動脈結紮後の再潅流不整脈を検討した。その結果、i)ATP感受性K^+チャネル開口薬の虚血前投与により再潅流時のVPC、VT、VFの発生頻度が低下し、またVT、VFの持続時間が減少した。ii)以上から、ATP感受性K^+チャネル開口薬は再潅流不整脈を抑制する可能性が示された。
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