1993 Fiscal Year Annual Research Report
病的ヒト心房筋における細胞内ナトリウムイオン濃度の膜電位依存性
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05670639
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| Research Institution | Kanazawa Medical University |
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Principal Investigator |
今西 愿 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90108689)
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| Keywords | 病的ヒト心房筋 / 細胞内ナトリウムイオン活性 / 膜電位固定 |
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| Research Abstract |
1.研究経過:心臓手術時に得たヒト右心耳は0.5〜1〓大であるが、本実験の目的に合致する標本には、少なくとも1.5×1.5×8mm大で線維化や石灰化の無い比較的正常に近い良質な短冊状条片が必要である。それは標本を単一庶糖隔絶法により3室実験槽に固定後、膜電位固定アンプを用い膜電位固定を行った上で細胞内Na^+イオン活性(a^i_N_a)を実測するのが本研究の課題であるからである。残念ながら、当施設で得られるヒト心房筋標本は、基礎心疾患やその病的状態のばらつきが多く、単一庶糖法では充分な物理的且つ電気的な隔絶が困難な例が多かった。そのため電位固定が不安定となり、データーの正確性に不安が残った。それでも、行った数回の実験結果より、膜を脱分極すればa^i_N_aは減少する傾向を示すことが示唆された。この結果は論理的且つ多種動物で検討された文献的考察とも矛盾しない。一方、a^i_N_aの実測の方法論に関しては、当施設ではほぼ確立されており今回購入したパーソナルコンピューター(NEC,PC-9821AP/U2)他一式と相まって良好な記録が得られている。本標本において,静止膜電位レベル(平均-44mV)でのa^i_N_aは6.9±1.7mMであった。
2.平成6年度の計画:ヒト心房筋標本の安定した膜電位固定を如何に行うかを第1の目標にしたい。十分に長い(約8mm以上)標本が得られれば、セルロイド板を2枚使用し中間に庶糖を灌流した庶糖隔絶法を用い、また短い標本しか得られなければ、1枚のセルロイド板で隔絶する隔絶法をとり、標本のばらつきに対して柔軟に対応出来る実験セットアップを応用し、標本の十分な電気的隔絶を行い、確実で安定した電位固定を行いたい。この点が成功すれば得られた標本の劣化が高度でさえなければ、本課題の目的に沿ったNa^+選択性微小電極を用いてのa^i_N_a実測は可能と考えられ、貴重な実験結果が得られるものと確信している。
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[Publications] Junichiro Kajita: "Intracellular Na^+activity of “diseased"human atrial muscles and its modifications by dihydro-ouabain" Japanese Journal of Physiology. 43. 403-408 (1993)
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[Publications] 迫,秀則: "摘出ヒト心房筋の浅い膜電位発現の機序:Na^+,K^+選択性微小電極による検討" Japanese Circulation Journal. 57. 734 (1993)
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[Publications] Sunao Imanishi: "Intracellular sodium and potassium activities in partially depolarized human atrial cells" International symposium on QT prolongation and ventricular arrhythmias(abstracts). 4-6 (1991)
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[Publications] 今西,愿: "病的ヒト心房筋静止膜電位の維持と起電性Na-K pump" Progress in Medicine. 14(発表予定). 480-484 (1994)
