1993 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化巣にみられるマクロファージの機能制御に対する造血因子の役割
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05670646
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
益田 順一 国立循環器病センター研究所, 疫学部, 室長 (70173747)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 単球 / 単球遊走因子 / 細胞内情報伝達 / チロシンリン酸化 / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
平成5年度における研究では、単球におけるMCP-1の発現に着目し、その遺伝子発現とシグナル伝達系について解析を行なった。単離したヒト単球を浮遊培養すると、4時間後をピークとしたMCP-1の遺伝子発現が認められ、この発現レベルは細胞密度に大きく依存していたが、GM-CSFやM-CSFの投与によりさらに亢進した。このような細胞密度に依存したMCP-1遺伝子の発現は生体内における炎症性病変や動脈硬化性病変の中において単球自身の産生する遊走因子によって単球/マクロファージの集積がコントロールされていること可能性が推察された。このような細胞密度依存性のMCP-1の遺伝子発現は、ゲニスタインやハービマイシンといった蛋白質チロシン燐酸化阻害剤で抑制された。細胞密度依存性にチロシン燐酸化される蛋白質のなかで、特に70-kDa蛋白は細胞密度に依存したMCP-1遺伝子発現のレベルと強い相関を示した。PKC阻害剤はMCP-1遺伝子発現を抑制すると共に、この70-kDa蛋白のチロシン燐酸化を抑制した。従って、細胞密度に依存したMCP-1遺伝子発現は蛋白質チロシン燐酸化及びPKC活性を介して誘導されることが示唆され、この遺伝子発現に関連した70-kDa蛋白のチロシン燐酸化にはPKC活性が重要な役割を果たしていることが示唆された。現在は、この遺伝子転写開始の機構について解析をすすめている。
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