1993 Fiscal Year Annual Research Report
内因性ジゴキシン様物質によるNa^+,K^+-ATPaseの遺伝子活性化の検討
Project/Area Number |
05670655
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒梅 恭芳 群馬大学, 医学部・小児科, 教授 (40008280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 秀樹 群馬大学, 医学部・小児科, 助手 (50239729)
長嶋 完二 群馬大学, 医学部・小児科, 講師 (00164418)
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Keywords | ジゴキシン様物質 / Na^+,K^+-ATPase |
Research Abstract |
我々はこれまでに、(1)臍帯血、新生児血中、母乳、各種疾患時の血中尿中、培養内皮細胞培養液中などに、ジゴキシン様物質(DLIS)が存在すること、(2)抽出したDLISにはナトリウム利尿作用が存在すること、を報告した。この事は、電解質異常における臨床上重要な問題を提起しており、その詳細な作用機構の解析が、病態解析においても、治療への応用においても、必要となってきた。 今回の研究では、ナトリウムポンプとして主要な役割をゆうするNa^+,K^+-ATPase subunitのgene expressionを指標とし、このDLISによるナトリウム利尿機構とNa^+,K^+-ATPaseの関連を、分子生物学的に明らかにしようとした。 実験は、成熟SDラットをもちいる。DLISは、臍帯血より抽出し、腎動脈より持続投与にて行った。投与後、腎を摘出し、mRNAの測定を行い、DLIS投与によるmRNAの時間時変化を追った。mRNAの測定は、Thormasの方法に準じたNorthern blot法にて行なった。 Probeは、プラスミドを用いたsubunit cDNAの制限酵素断片よりなるsubunit cRNAを用いた。 結果では、各検討の組織中に有意のmRNA増加をえることはできなかった。DLISの作用がNa^+,K^+-ATPase産生を介した機序により作用することの確証はえられなかった。更に今後の検討が必要と思われた。
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