1993 Fiscal Year Annual Research Report
Fructose-1,6-diphosphatase欠損症の遺伝子分析
Project/Area Number |
05670664
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
木川 芳春 福井医科大学, 医学部, 講師 (90143940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沼 秀夫 秋田大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70095389)
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Keywords | Fructose-1,6-diphoshatase / 単球 / mRNA / 酵素欠損 / cDNA塩基配列 |
Research Abstract |
1:fructose-1,6-diphoshatase(FDPase)は通常は肝と腎に発現している。単球に発現しているFDPaseが肝と腎のそれと同じである事をmRNAのレベルにおいて確認した。まず単球、肝、腎よりmRNAを抽出してPCR法にてFDPase-cDNAを得た。subcloning後に単球、肝、腎のそれぞれについて塩基配列を決定した。単球、肝の塩基配列は蛋白翻訳領域においては全く同じであった。これにより単球のFDPase-cDNAの解析により肝において欠損しているFDPaseの解析が可能になると思われた。 2:次に、FDPase欠損患者7名より単球を採取してPCR法にてFDPase-cDNAを増幅した。欠損患者7名全例においてmRNAのコントロールであるアクチンではcDNAが得られたのにも関わらず、2名のみでFDPase-cDNAは得られた。得られcDNAのサイズは正常の単球、肝、腎のそれと同じであった。得られなかった5名については,mRNAのinstability,tanscriptional defect,RNA processing defect等が考えられた。FDPase-cDNAは得られた2名についてはshort fragmentのinsertion又はdeletionなどが予想された。現在、塩基配列決定中であるが、ほぼ予想した結果が得られている。2名の患者父母についても同じ様な塩基配列上の変異が倹出されている。 3:今後は変異蛋白の発現及び検索の予定である。以上より最終の目的であるfructose-1,6-diphoshatase欠損症の保因者診断及び早期診断に必要な本症の遺伝子分析は順調に進行していると思われる。
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