1994 Fiscal Year Annual Research Report
MTT法における難治性小児白血病の薬剤感受性と臨床効果の検討
Project/Area Number |
05670667
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
本郷 輝明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50115507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 周平 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60252186)
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Keywords | MTT assay / Ph1 positive ALL / mixed lineage ALL / G-CSF receptor / childhood ALL / anticamcer drug / LD70 |
Research Abstract |
今年度は難治性小児白血病の中でも特に予後の悪いPh1 陽性ALL 15例のin vitro薬剤感受性と臨床経過について検討した。commonALL 初発例(no.=60)と比較してPh1ALL初発例(no.=5)は、各種抗癌剤のLD70を比較するとMIT,VLBはそれぞれp=0.025,p=0.008 と有意にPh1ALLの方が耐性を示していたが、Pred,Dexを含めそれ以外の薬剤ではほぼ同一の薬剤感受性を示していた。初発Ph1ALL(no.=5)と再発Ph1ALL(no.=22)の比較では、Pred(p=0.049) とDex(p=0.069)が再発時比較的耐性を示したがそれ以外の薬剤では再発時の薬剤耐性は明らかでなかった。3症例で初発時と再発時の2回薬剤感受性を調べたが、1例は初発時からのde novo resistanceを、他の2例ではacquired resistance を示していた。臨床経過では、15例中13で寛解導入出来たが、うち12例は4か月から3年で再発した。8例で骨髄移植を受けたがうち2例のみがCCRを維持している。この2例はMTTアッセイを利用して薬剤選択を行い、自家骨髄移植併用大量化学療法を行った例で、予後不良な疾患に対する新しい方法として評価できるだろう。また基礎的研究として,G-CSF receptor cDNA をトランスフェクトしたB cell line の細胞が薬剤耐性を獲得するかどうかをmixed lineage leukemia のモデルとして検討を加えた。その結果DNR,MITの2剤が有意にtransfectant cellsで耐性となっていた。この事はG-CSF receptorも薬剤耐性に関与していることを示している。Ph1ALLの薬剤耐性とG-CSF receptorについては、2nd international symposium of Drug Resistance in Leukemia and Lymphoma(アムステルダム,March 6-8,1995)で発表した。他の難治性小児白血病、乳児白血病・mixed linage ALLについては、検討症例数が少なく抗癌剤感受性の特徴を明らかにするまでには至っていない。また引き続きアッセイ結果の返事とともにその利用度を記載してもらうハガキを送付している。返答率は80%であった。難治性白血病の化学療法療法における,MTT参考群とMTT非参考群との治療成績が次年度には明らかになる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Hongo et al.: "B lineage ALL cells change their anticancer drug resistance profiles after transfection of G-CSF receptor cDNA" Leukemia. 9(3). 543- (1995)
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[Publications] T.Matsushita,et al: "In vitro assay results of 15 children with Ph1 positive ALL and their clinical outcomes" Leukemia. 9(3). 543- (1995)