1993 Fiscal Year Annual Research Report
抗ガングリオシドD2モノクローナル抗体の神経芽細胞腫治療応用のための基礎的研究
Project/Area Number |
05670668
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 稔 名古屋大学, 医学部, 医員
宮島 雄二 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 抗ガングリオシドD2モノクローナル抗体 / 免疫療法 |
Research Abstract |
1.抗ガングリオシドD2(GD2)に対するマウスモノクローナル抗体3F8、126、220、A-410の補体依存性細胞傷害性を検討した。神経芽腫細胞株TGW-I-nuをターゲットとして至適条件において3F8:98%、126:78%、220:69%、A-410:99%の細胞傷害性が得られた。 2.3F8、220、A-410についてTGW-I-nuをターゲットとして抗体依存性細胞性傷害試験を行った。エフェクター細胞としては、健常者末梢血単核球を用いた。E/T比200で至適抗体濃度において3F8:43%、220:55%、A-410:42%の細胞傷害性が得られた。 3.各抗体の造血幹細胞に対する補体依存性細胞傷害性を調べた。CFU-GMコロニー形成法による検討では3F8、126、220、A-410いずれも造血幹細胞に対する傷害性を示さなかった。 4.抗体220、A1-410を人体に投与した場合の正常組織への影響を予測するため、免疫組織化学による検討を行った。肺、肝、腎、膵、脾、副腎、腸管、心、唾液腺、下垂体については本法では陰性であった。中枢神経系では白質は陰性であったが、大脳皮質および小脳顆粒層の神経細胞が両抗体で陽性に染まった。したがって、中枢神経系以外の臓器に対する影響は少ないと考えられた。 5.4種の抗体間に明らかな抗腫瘍活性の差は認めなかった。 6.本邦の抗GD2抗体である220、A-410を用いて、ヒト型モノクローナル抗体を作成することで、治療応用の可能性が示された。
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