1995 Fiscal Year Annual Research Report
抗ガングリオシドD_2モノクローナル抗体の神経芽細胞腫治療応用のための基礎的研究
Project/Area Number |
05670668
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 真司 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 抗ガングリオシドD_2モノクローナル抗体 / 免疫療法 |
Research Abstract |
1.放射性ヨード[Na^<125>I]で標識した抗体220-51を,ヒト神経芽腫細胞を左大腿部皮下に移植したヌードマウスに注射し,イメージングを行って腫瘍集積性を検討した。その結果,左大腿の腫瘍部に標識抗体の特異的な集積が認められた。 2.抗体220-51の腫瘍生着阻止硬化について検討した。TGW-I-nuを皮下注射した日から,抗体220-51を7日間毎日静注し,60日までの間に皮下に腫瘤を形成するかどうかを観察した。なお,PBSのみを静注したマウスを対照群とした。その結果,対照群では69匹中,45匹で皮下移植した腫瘍の生着がみられたが,抗体を静注した10匹において腫瘍の生着はみられず,有意な生着阻止効果が得られた(p<0.005)。 3.抗体220-51についてrhGM-CSFおよびrhG-CSFによる顆粒球抗体依存性細胞性障害性試験(ADCC)の増強効果を検討した。その結果,抗体濃度10μg/mlにおいてrhGM-CSFを添加した場合,有意に高い細胞障害活性が認められた。rhG-CSFの添加では活性に変化は認められなかった。またrhGM-CSFとrhG-CSFを両方添加した場合もrhGM-CSF単独の場合以上の活性は得られなかった。 4.GM-CSFまたはG-CSFがin vivoにおいて抗体による抗腫瘍効果に影響するかどうかを検討した。rmGM-CSFまたはrhG-CSFを抗体の静注開始日から連日10日間皮下注射した。rmGM-CSFまたはrhG-CSFを併用した場合,1週目,2週目で抗体単独よりも強い腫瘍増殖抑制効果が認められた。さらに,rmGM-CSFとrhG-CSFの両者を抗体と併用した場合に最も強い増殖抑制効果が得られ,3週目まで対照群に比べて有意な増殖抑制効果が得られた。 以上より、サイトカインの併用でより有効な抗腫瘍効果が期待できると考えられた。
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