1994 Fiscal Year Annual Research Report
先天性腎性尿崩症におけるバゾプレシンV2受容体の遺伝子解析-障害部位の確定と臓器特異性に関する検討-
Project/Area Number |
05670676
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大関 武彦 鳥取大学, 医学部, 助教授 (20152126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 啓一 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (20238041)
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Keywords | 尿崩症 / 腎性尿崩症 / バゾプレシン / 血液凝固因子 / 尿浸透圧 |
Research Abstract |
バゾプレシンV2受容体の遺伝的異常である、先天性腎性尿崩症の障害部位を確定し、その臓器特異性を明らかにすることを目的とし、以下の点に関する研究を継続した。すなわち、(a)アデニレートシクラーゼ系、(b)凝固因子の反応性、(c)バゾプレシン受容体系の遺伝子解析と、(d)臨床的多様性との関連の検討、などである。 (a)のcAMPの反応性については、昨年度までで現時点における一定の結論を得た。すなわち、cAMPの反応性の検討より障害部位としては、レセプターとレセプター後の2群に大別出来る可能性がある。この2群に関し、(b)および(c)について分析することは重要な意義があろう。(b)血液凝固第8因子およびフォンヴィルブラント因子のバゾプレシンに対する反応性は、腎性尿崩症で欠如していると報告されていたが、我々の反復した検討では、患者では1.2-1.3倍、キャリアーでは1.5-3.0倍の増加反応が確認され、血液凝固系に関しても、その異常の有無は単一ではないことが明らかとなった。これらの症例について、(c)にあげた遺伝子解析を行うことは、単に病因の確定のみならず、V2受容体系の生理的役割をより明快にすると考えられる。V2受容体遺伝子については、我々の研究が開始されるのと前後して、欧米で報告がみられる様になった。しかしながら、今回までの所、報告された異常を含め、明確な遺伝子異常を確認するに至っていない。その理由として、今までの報告と異なる異常の存在している可能性と、手技上の問題の二つがまず考えられ、来年度に解決すべき点であると思われる。
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