1994 Fiscal Year Annual Research Report
小児悪性腫瘍患者におけるC型肝炎の病態と治療に関する基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
05670687
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80159590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 裕子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10254202)
松山 秀介 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045983)
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50106316)
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Keywords | C型肝炎 / HCV-RNA / HCV subtype / IFN |
Research Abstract |
治療終了後1年以上を経過した血液・悪性腫瘍患児のうち輸血歴があり、HCV抗体およびPCR法によるHCB-RNAが陽性であり6ケ月以上にわたって経過を観察し得た13例に対し肝生検による診断確定後インターフェロン療法を行った。これは原疾患治療終了後1年8ケ月から8年を経過しており、正常範囲内で経過している2例を除き、11例はトランスアミナーゼ値が大きく二峰性の肝機能異常を呈した後、軽度から中等度の範囲を動揺していた。現在までに調べ得た10例のHCV subtypeは、typeIVの1例を除き全てtypeIIであった。肝生検像は、非活動性慢性肝炎4例、活動性慢性肝炎9例で、肝機能正常例にもactiveな所見がみられた。治療は1回量、体重50kgに対し天然型IFN-alpha900万IUを基準とし、筋注にて2週間連日、以後維持療法として週3回の間歇投与を12週間施工した。治療結果は、GPT値の異常は全て治療中または治療後に正常化した。しかし、HCV-RNAの消失が認められたのは12例中4例であった。IFN療法10週時にHCV-RNAの消失が認められ終了後1ケ月時に再出現がみられた4例を含めHCV-RNAの消失が認められなかった8例は、その後再びGPTが異常値をとった。HCV-RNAの消失した4例は、GPT値は正常範囲内を継続している。消失例の治療後1年の肝組織像は全例、治療前にみられた門脈域のリンパ球を主体とした慢性炎症細胞浸潤と線維化による拡張所見は明らかに改善しており、さらにpiecemeal necrosisの所見も改善していた。今回の13症例での有効群・無効群についてその特徴を検討すると、組織所見が軽度のものでも無効例がありHCV subtypeでは。II型を呈した9例中3例に有効であった。頻回・大量の輸血を受けている本症例のような場合には感染HCV量が多い要因もあり難治例が多いことが予測し得る。今回の13症例での有効群・無効群についてのvirus量、さらにSSCP法を用いてのvirusの変異の程度を経時的に保存した血清で検討し、初回IFN療法に対し無効であった症例に対する再治療を考える。
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