1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670704
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
青木 継稔 東邦大学, 医学部, 教授 (50057585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 利満 東邦大学, 医学部, 教授 (50057709)
逸見 仁道 東邦大学, 医学部, 助教授 (90165514)
嶋武 博之 東邦大学, 医学部, 教授 (40010110)
藤岡 芳実 東邦大学, 医学部, 助手 (30256739)
清水 教一 東邦大学, 医学部, 助手 (60256740)
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Keywords | Wilson病 / 銅代謝異常 / Long-Evans Cinnamon(LEC)ラット / セルロプラスミン |
Research Abstract |
先天性銅代謝異常症の代表的疾患のWilson病のモデル動物であるLong-Evans Cinnamon(LEC)ラットにおいて、血清セルロプラスミン値は生涯低値を示す。本研究は、Wilson病の発症機序解明の目的にて、LECラットのセルロプラスミンについて分子生物学的検討を行った。まず、LECラットの肝臓におけるセルロプラスミンの発現状況を検討した。LECラットおよび対象群であるLong-Evans Agouti(LEA)ラット肝臓より、RNAを抽出し、ノザン・ブロット法を行った。プローブは、〓33PにてラベルしたラットセルロプラスミンcRNAプローブを使用した。LECラットにおいてセルロプラスミンmRNAは発現されており、そのサイズは、LEAラットの間に差は認めなかった。その発現量も、大きな差は認められなかった。次に、セルロプラスミン蛋白の産生・分泌を観るため、LEAおよびLECラットの肝組織に対し、抗ヒトセルロプラスミン・ポリクローナル抗体を用いて、免疫沈降法を行った。LECラットにおいて、LEAラットと同じサイズのセルロプラスミン蛋白が産生・分泌されていた。その産生・分泌量は、LEAラットに比べ若干低下していた。さらに、LECラットにおける血液中へのセルロプラスミンの蛋白の分泌を検討した。各ラットの血清に対し、抗セルロプラスミン・ポリクローナル抗体を用いて、ウエスタン・ブロット法を行った。LECラットにおいて血液中に分泌されているセルロプラスミン蛋白は、そのサイズにおいては、LEAラットとの間に差は認められなかった。分泌量に関しては、やや少ない傾向であった。以上の結果より、LECラットにおいて、セルロプラスミンは発現されており、蛋白の産生・分泌も行われているが、その大部分は、銅と結合していないアポセルロプラスミンとして血液中へ分泌されていると考えられた。
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