1994 Fiscal Year Annual Research Report
小児発作性上室性頻拍に対するカテーテルアブレーション
Project/Area Number |
05670705
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
住友 直方 日本大学, 医学部, 助手 (50231379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 研介 日本大学, 医学部, 教授 (40208674)
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Keywords | 上室性頻拍 / カテーテルアブレーション / 副伝導路 |
Research Abstract |
小児の発作性上室性頻拍の多くは副伝導路を利用する房室回帰性頻拍である。この場合、副伝導路の位置を電気生理学的検査によって診断し、この部位に高周波通電を行い、副伝導路を焼灼(アブレーション)することにより根治することができる。しかし、副伝導路の位置の診断は、頻拍中の最短VA時間、副伝導路電位の検出、A波の高さ、V波の高さ、A/V比など様々な指標がありこのどの因子を指標に行うかを検討した。この結果、副伝導路に対する至適アブレーション部位は1)Kの記録部位、2)0.4mV以上のAの記録部位、3)0.2以上のA/V比、4)最大振幅のV波、A波で測定した、頻拍中もしくは心室連続刺激時の最短VA時間、もしくは最短QA時間の4つが成功に関与していたが、これらすべてを満たしても必ずしも成功するとは限らず、絶対といえる指標は見当らなかった。最近電位の安定性、顕性副伝導路では単極誘導におけるP-QSパターンなども成功に関与しているとの報告があり、これら多くの因子を検討し総合的に至適アブレーション部位を判断する必要がある。 術後に心電図、心エコー、ホルター心電図をとり、また血液のCPK値の上昇の程度などを測定し、血栓形成の有無、合併症の有無、新たな不整脈の発生の有無を検討した。1例にカテーテル操作に伴う大動脈弁閉鎖不全を合併した。またホルター心電図では非持続性心室頻拍を認める症例があった。また術後に軽度の僧帽弁閉鎖不全を認める症例があったが、経過観察中に消失した。術後に血栓を認めた症例はなく、またCPKの上昇と不整脈発生の有無、成功例、不成功例間で有意な差は認められなかった。
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