1993 Fiscal Year Annual Research Report
家族性成長ホルモン単独欠損症(タイプII)の分子生物学的解明
Project/Area Number |
05670713
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
行実 成徳 久留米大学, 医学部, 講師 (20210586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西依 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (30218226)
|
Keywords | 家族性成長ホルモン単独欠損症(タイプII) / 成長ホルモン遺伝子 / 一塩基置換 |
Research Abstract |
家族性成長ホルモン単独欠損症(タイプII)の母、姉、弟より白血球を採取し、フェノール・エタノール法によりgenomic DNAを抽出し、それを材料にして、成長ホルモン(GH)遺伝子の解析をおこなった。 GH遺伝子に特異的なプライマーを合成し(5′側、3′側それぞれ1個),PCR(Polymerase chain reaction)法で増幅し、合成物をアガロースゲルによる電気泳動で確認後(全長2206bp)、ベクター(pUC18)に挿入し、大腸菌(JM109)にてサブクローニングをした。GH遺伝子は5エクソン、4イントロンで構成されており、各エクソン毎にシークエンス用プライマーを合成し、Applied Biosystem社製オートシークエンサー(373A DNA Sequencer)にて塩基配列を決定した。PCRエラーやその他のアーチファクトによる誤った塩基配列の決定を避けるため各エクソンとも10個のクローンを解析した。 弟のGH遺伝子の解析結果より,第5エクソン内に、TからGへの一塩基置換がみつかり、成長ホルモンタンパクの180番目のアミノ酸が、バリンからグリシンへ変換していた。他のエクソン、及びスプライシングに関与するイントロンの塩基配列には変異はみられなかった。 弟のGH遺伝子に見られた一塩基置換の病因としての意義については不明であり、病因に直接関与しない遺伝子の多型である可能性もある。 次年度の研究は母、姉、及び正常者のGH遺伝子の解析をおこない、特に第5エクソン内の変異の有無を確認の予定である。さらに最近、成長ホルモン欠損動物モデルで成長ホルモン分泌刺激ホルモンレセプター(GHRH recepter)の異常が報告され、我々の症例においても検討の予定である。
|