1994 Fiscal Year Annual Research Report
家族性成長ホルモン単独欠損症(タイプII)の分子生物学的解明
Project/Area Number |
05670713
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
行実 成徳 久留米大学, 医学部, 講師 (20210586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西依 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (30218226)
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Keywords | 家族性成長ホルモン単独欠損症(タイプII) / 成長ホルモン遺伝子 / 一塩基置換 |
Research Abstract |
家族性成長ホルモン単独欠損症タイプII(IGHDII)の病態解明のため、IGHDIIの母、娘、息子のgenomic DNAを材料にして、遺伝子解析を行なった。昨年度の研究で、息子のGH遺伝子のexon5内に一塩基置換(T→G)を認め、この変異はGHタンパクの180番のValがGlyに変わると予想された。今年度の研究目的は1。息子に見られた一塩基置換が母、姉及び正常者に見られるかどうか。2。ミトコンドリアDNA異常症に内分泌疾患の合併が報告されており、IGHD IIにおけるmtDNA3243変異(A→G)、3271変異(T→G)有無を検討した。 1。家族内診断:T→Gの変異は制限酵素BsgIのcuting siteを消失させるので、これを利用して家族内診断をおこなった。PCR合成物を鋳型にして、nested PCR(1037bp)を行い、nested PCR合成物をBsgIで処理後、1.5%アガロースゲルで泳動した。正常であればBsgI処理で523、416、98bpに切断される。変異があれば621、416bpとなる。その結果、母、娘、息子に621、523、416bpがみられた、従ってこの変異についてはheterozygotyと考えた。また父親と正常コントロール16名には621bpは見られなかった。2。ミトコンドリア遺伝子の検討;PCR法で増幅したのち制限酵素(HaeIII,DdeI)処理後の、fragmentの永動パターンより変異の有無を調べた。その結果正常者と同様なパターンで従って3243変異、3271変異はないと考えた。今回の研究で認めた、IGHDII症例での、exon5の一塩基置換とGH分泌低下との関係は証明されていないので、今後はIGHDII症例の遺伝子解析の蓄積とin vitroでのGH発現実験系の確率がIGHDIIの病態解明に必要と思われる。
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