1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670723
|
Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
諸橋 正昭 富山医科薬科大学, 医学部・皮膚科, 教授 (50018719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津山 、實 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (10213787)
篭浦 正順 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50201413)
松井 千尋 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (10181679)
|
Keywords | ミノキシジル / カルシウムイオン / クロライドチャネル / 発毛 / 男性ホルモン / ホールセルクランプ法 / 細胞容積解析法 / ヒト表皮角化細胞 |
Research Abstract |
本年度は、平成5年度の研究成果を基に、毛包細胞の前段階として入手が容易であるヒト表皮角化細胞と既に採取法が確立しているエクリン汗腺細胞に対する発毛剤の作用の研究を行なった。(1)発毛剤であるミノキシジルの細胞のチャネルにおよぼす影響をホールセルクランプ法を用いて行なった研究では、ミノキシジルの活性型であるミノキシジルサルフェイトはエクリン汗腺細胞のKチャネルではなく主にC1チャネルを開放すること、またミノキシジル自体はKチャネルを開放することを明らかにした。したがって、発毛にはKチャネル開放による血管内皮細胞の弛緩とその結果もたらされる血流増加のみならずC1チャネルの開放が関与していることが示唆された。ヒト表皮角化細胞にバリノマイシンを作用させ、細胞容積解析法を用いてミノキシジルサルフェイトの細胞チャネルへの作用を検討した結果、C1チャネルの開放が認められエクリン汗腺での結果が指示された。しかしC1チャネルの発毛への関与の機序の解明にはさらなる検討が必要である。(2)細胞内外のCa^<2+>濃度の発毛への関与の研究では、男性ホルモンはヒト表皮角化細胞の細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させ、ミノキシジルサルフェイトは減少させることを明らかにした。この結果より発生には細胞内Ca^<2+>濃度が関与している可能性が示唆された。(1)、(2)に関し引き続き毛包細胞を用いて検討を行なう予定である。
|
-
[Publications] M.OHTSUYAMA: "Stimulation of Cl Conductance by Minoxidil Sulfate and K Conductonce by Minoxidil in Eccrine Clean Cells" The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 269. 823-831 (1994)
-
[Publications] 大津山 實: "表皮角化細胞のclチャネルに及ぼすMXDS(Minoxidil sulefate)の影響" 日本皮膚科学会雑誌. 104. 483 (1994)
-
[Publications] M.OHTSUYAMA: "CELL VOIUME REGULATION IN HYPOTONIC MEDIUM IN KERATINOCYTES" Journal of Dermatological Science. 8. 69 (1994)