1993 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイドによる人表皮細胞の癌遺伝子発現と増殖・分化調節
Project/Area Number |
05670731
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 奈津子 大阪大学, 医学部, 講師 (60135697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
吉川 邦彦 大阪大学, 医学部, 教授 (20110851)
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Keywords | ケラチノサイト / 癌遺伝子 / レチノイン酸 / オステオカルシン |
Research Abstract |
正常人皮膚より採取したケラチノサイトをコラーゲンゲル上で培養し,生体と類似の表皮構造を再構築させ,この系を用いて10^<-7>Mレチノイン酸で48時間処理後c-fos,c-mycの発現を検索したが,変化を認めなかった。ケラチノサイトの分化に及ぼす影響としては,この系では無添加状態ではケラチノサイトは5-6層の細胞層を形成し最上層では角質層を形成して生体皮ふに類似した構造をとるが,10^<-7>Mレチノイン酸添加にて48時間処理すると角質層の形成は抑制された。SV40-形質転換ケラチノサイトにおける癌遺伝子蛋白の発現を蛍光染色后flow cytometryで検索した。SV40-形質転換ケラチノサイトはヌードマウスに植えるとその中で扁平上皮癌類似の組織構築を形成することを過去に示した。レチノイン酸10^<-6>〜10^<-7>M添加によりその増殖は著明に抑制された。120代SV40形質転換ケラチノサイトはc-mycを44.6%で強陽性を示すがレチノイン酸10^<-6>M48時間処理で32.1%へと低下した。c-fosは無処理では31.5%の細胞が陽性を示すがレチノイン酸を同様に添加処理することにより22.0%へと低下した。又、長期エトレチナート内服した乾癬患者26例につき血中オステオカルシン(Bone Gla protein)のレベルと腰椎の骨塩量を検索した。オステオカルシンレベルは正常範囲であったが、腰椎骨塩量は同年令対象群と比較し明らかな低下を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakatani S,Okada N.et al: "A two-colour flowcytometric study of cell kinetics and differentiation of human keratinocytes in culture" Arch Dermatol Res. 284. 349-352 (1993)
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[Publications] Okada N,Nomura M et al: "Bone mineral density of the lumbar spine in psoriatic patients with long term etretinate therapy" J Dermatol. 21(in press). (1994)
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[Publications] 岡田奈津子: "レチノイド" 皮膚科の臨床. 35. 1317-1323 (1993)
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[Publications] 岡田奈津子: "チガソン" 皮膚科専門医テキスト集(1992年度). 121-134 (1994)