1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670738
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
嵯峨 賢次 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10153925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 俊祐 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50244364)
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Keywords | エックリン汗腺 / アポクリン汗腺 / 陰性荷電部位 / 酵素消化 / アルカリホスファターゼ / 細胞間微小管 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で我々は、エックリン汗腺とアポクリン汗腺における陰性荷電部位の超微構造における分布をcationic colloidal goldを用いて明らかにした。さらに、陰性荷電部位の酵素消化に対する感受性の違いから、それらを構成する分子の性質を明らかにして、汗腺機能との関係を追求した(J Histochem Cytochem 41:1197-1207,1993)。本年度は汗腺との比較のために表皮における陰性荷電部位の分布と酵素消化に対する感受性を検討した。表皮細胞では分化とともに陰性荷電が減少した。正常表皮では、chondroitinase ABC感受性の陰性荷電部位と、heparitinase感受性陰性荷電部位がそれぞれ80%と60%存在していた。感癬表皮ではchondroitinase ABC感受性陰性荷電部位が増加し、heparitinase感受性陰性荷電部位が減少していた(Br J Dermatol,in press)。 Alkaline phosphataseは細胞膜輸送に関係した酵素と考えられている。ヒト汗腺におけるalkaline phosphataseの分布を酵素組織化学的に明らかにした。Alkaline phosphatase活性はエックリン汗腺では細胞管微小汗管に限局して存在していた。この結果は細胞間微小汗管は単に腺腔側細胞膜の表面積を増大させるだけではなく、機能的に分化した構造であり汗産生に深く係わっていることを示している。アポクリン汗腺では筋上皮細胞膜の分泌細胞に接している部分と、分泌細胞膜の基底膜側で筋上皮細胞に接している部分に酸素活性が認められた。エックリン汗腺とアポクリン汗腺の筋上皮細胞ではalkaline phosphatase活性の分布が異なっており、これは両汗腺の機能的差を反映したものと考えられた。これらの結果は論文をJ Histochem Cytochemに投稿中である。
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[Publications] Saga K,Takahashi M: "Lotalization of anionic sites in normal and psoriatic epidermis:the effect of enzyme digestion on these anionic sites" Br J Dermatol. 132(印刷中). (1995)
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[Publications] Kato F,Morimoto Y,Saga K,Takahashi M: "Sweating in atopic dermatitis." J Dermatol Sci. 8. 55- (1994)