1994 Fiscal Year Annual Research Report
悪性血管内皮細胞腫のバイスペシフィック抗体標識ヘルパー/キラー療法の基礎的研究
Project/Area Number |
05670743
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Research Institution | Kitasato University School of Medicine |
Principal Investigator |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 聡子 北里大学, 医学部, 助手 (30260855)
天野 隆文 北里大学, 医学部, 助手 (30212567)
藤田 裕介 北里大学, 医学部, 助手 (20238588)
藤村 響男 北里大学, 医学部, 助手 (50209087)
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Keywords | 悪性血管内皮細胞腫 / バイスペシフィック抗体 / ヘルパー / キラー細胞 / rIL-2 / LAK / 養子免疫療法 |
Research Abstract |
致死的腫瘍である悪性血管内皮細胞腫においてLAK養子免疫療法は唯一の有効な治療法である。この治療法をさらに発展させるために、我々はバイスペシフィック抗体標識ヘルパー/キラー療法の可能性を検討した。 我々はまず悪性血管内皮細胞腫特異的モノクローナル抗体の作製のための抗原として、また細胞傷害測定の標的細胞といてヒト悪性血管内皮細胞株(ISO-HAS)を樹立した。この腫瘍細胞は頭部に発症した悪性血管内皮細胞腫に由来しており、各種の癌遺伝子および突然変異癌抑制遺伝子を発現していた。この細胞株を用いて抗体作製を繰り返し試みたが、正常内皮細胞にも反応する抗体は数種取れたが、腫瘍特異的な抗体を得ることが出来なかった。 悪性血管内皮細胞腫(MHE)患者および健常人の末梢リンパ球より免疫磁気ビーズ細胞分離システム(MACS)を用いてCD4^+細胞を分離し、各条件のCD3抗体およびrIL-2で刺激し、CD4^+キラー細胞を培養した。大量培養には断続的な固層化CD3抗体刺激が必要であった。RT-PCR法にてmRNAレベルでこの細胞のIL-2、γIFNの発現を確認した。このCD4^+細胞単独ではISO-HASに対して高いE/T比(100/1)で約70%の傷害性を示した。 我々の結果から悪性血管内皮細胞腫自体の特異的腫瘍抗原性は抗体を作製するには極めて低くい可能性が考えられる。また、培養CD4^+キラー細胞が低いE/T比で高い傷害活性を示すには腫瘍細胞と架橋する抗体が必要であると考えた。そこで腫瘍細胞にも保持されている内皮細胞膜抗原に対するCD31抗体とCD3抗体とのバイスペシフィック抗体を作製中で、これを用いて最終結果を出す予定である。
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