1994 Fiscal Year Annual Research Report
antisense RNAによるsteroid sulfatase(STS)遺伝子の発現抑制:X-linked ichthyosisの細胞モデルの確立
Project/Area Number |
05670745
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Research Institution | Juntendo University School of Medicine |
Principal Investigator |
真鍋 求 順天堂大学, 医学部, 講師 (30138309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 均 順天堂大学, 医学部, 講師 (60191095)
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Keywords | 伴性遺伝性魚鱗癬 / ステロイドサルファターゼ / アンチセンスRNA / トランスフェクション / 角化細胞 |
Research Abstract |
本研究では、in vitroにおいてin vivoと同様の組織像を再現できる培養系が必須であり、この新しい培養系の確立は実験の成否に関わる絶対的条件である。そこで"in vitroにおける表皮形成の再現"という課題に重点を置き実験を行った。しかしながら残念なことに数多くの試みにもかかわらず、これらより得た実験的再現表皮の組織像はその後の実験の条件を満たすものではなかった。そこで近年培養肝細胞に機能的役割を果たさせることの出来る培養方法が確立されたので、この手法を用いて表皮細胞を培養してみた。まず包皮より得た正常表皮細胞と線維芽細胞をポリイソプロピルアクリルアミド上で培養し、これに紫外線を照射することによりポリマーを培養皿より遊離した。この操作により培養細胞は球体を形成したまま培養液中に浮遊しながら分化した。興味深いことに表皮細胞はこの培養方法では角化しないまま重層化し、4日目を過ぎると急速に死滅した。現在、新しい形態形成因子として注目を集めているepimorphinを培養系に培養系に加えることを試みている。またもう一つの課題である培養細胞への遺伝子導入について基礎的研究を行った。まず当初考えていたリポフェクチンによる方法よりエレクトロポレーション法の方が導入効率が良いと言われているので、この方法を試みることとした。導入する遺伝子は既に入手してあった毛型ケラチン遺伝子を用い、数多くの株化培養細胞にこれを導入した。発現してきた毛型ケラチンは特異的なモノクローナル抗体により組織化学的手法により検出した。これにより導入効率を検討したところ、エレクトロポレーションはリポフェゥチンより効率が良いものの、残念なことに表皮細胞は遺伝子導入後生存率が激減した。現在条件の設定を検討中である。以上計画は当初の目標より遅れているものの着実に進展中である。
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