1994 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体後葉性αMSHの皮膚melanin沈着に対する生理的役割
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05670748
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
村井 一郎 日本大学, 医学部, 助教授 (10130618)
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| Keywords | αMSH / 下垂体後葉 / 紫外線 / 皮膚色素沈着 / hairless mouse |
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| Research Abstract |
本研究は、紫外線(UV)-sensitiveなhairless mouse;(HR-1xHR/De)F1を実験対象とし、UV照射による皮膚黒化機構内における後葉性α-melanocyte stimulating hormone(αMSH)の意義を追及することを目的とした。
第一段階における実験成績は、下垂体後葉切除術(LOBEX)あるいは下垂体切除術(HYPOX)がUV照射(UVB;300mJ/cm^2,1回/2日、計11回)による黒化(L-値としてChromameterにより分析)を完全に抑制し、照射後の血中αMSH濃度は共に著明な低値を示した。一方、LOBEX群へのαMSH連日投与(10μg,ip)は血中αMSH濃度と黒化反応を正常に復帰させた。これらは、血中αMSHは主に後葉由来であり、UVによる黒化機構内で重要な役割を担っていることを示している。さらに今回(第二段階)、1)αMSHの連日投与のみが皮膚黒化を誘発するか否か、2)LOBEX群へのαMSH投与は前葉ホルモンを介する作用であるか否かを検討したが、intact mouseへのαMSH連日投与は皮膚黒化を誘導せず、一方HYPOX+αMSH群においてはUVによる黒化反応の回復が観察され、投与されたαMSHの皮膚への直接作用を示唆している。次いで、3)UV照射の後葉からのαMSH分泌に対する影響を検討するため、UV単一照射後の血中αMSHの濃度推移をLOBEXとSHAMの両群で比較した。その結果、SHAM群の血中αMSH濃度は、UV照射後4時間で軽度上昇したが(前値の約1.3倍)、その後は徐々に減少し、一方、LOBEX群においては、前値より著減し(SHAM群の約20%)、低値を照射24時間後まで持続した。また2)後葉内αMSH含量(SHAM群)については照射後4時間での上昇傾向のみが観察された。以上は、a)UV照射による皮膚黒化には血中αMSHの基礎濃度がcriticalであることを示唆しているが、b)血中αMSHの増加機序については尚不明であり、現在、αMSH分泌へのneurotransmitterの影響、さらに皮膚tyrosinase活性の変化を検討中である。
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