1993 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞に発現する接着因子とmicrofilamentに及ぼす紫外線の影響
Project/Area Number |
05670752
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
二村 省三 関西医科大学, 医学部, 講師 (90190115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 武 関西医科大学, 医学部, 助教授 (90026914)
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Keywords | CD44 / UVB / endothelial cell / cytocharasin D |
Research Abstract |
1.目的 PUVA療法の作用機序を検討する一助として下記の実験を計画した。 ヒト臍帯静脈血管内皮(HUVEC)を用い、アクチンフィラメントとの関連が指摘されるCD44の発現に関して、紫外線照射ならびにサイトカラシン処理前後の変化を、Eセレクチンを対照として発現プロフィールに関してはFACS、形態的変化については共焦点レーザー顕微鏡で検討した。 2.実験材料と方法 【.encircled1.】ヒト臍帯静脈血管内皮(HUVEC)を培養後、INF‐gamma、IL‐1beta、TNF‐alphaで刺激、CD44とEセレクチンの発現プロフィールをFACSで検討した。 【.encircled2.】HUVECに種々の量の紫外線を照射前もしくは後に、IL‐1betaで刺激しCD44とEセレクチンの発現プロフィールの変化をFACSと共焦点レーザー顕微鏡で検討した。 【.encircled3.】HUVECを種々の濃度のサイトカラシンDで処理後、IL‐1betaで刺激同様にCD44とEセレクチンの変化をFACSと共焦点レーザー顕微鏡で検討した。 3.結果 【.encircled1.】INF‐gamma、IL‐1beta、TNF‐alphaの刺激によりCD44は刺激4時間後より発現、8時間後にピークに達した後24時間後には正常に復した。Eセレクチンは刺激2時間後より発現、6時間後にピークとなり24時間後には同様に消失した。 【.encircled2.】紫外線をIL‐1beta刺激の前、後のいずれに照射してもCD44の発現は遅れ、ピークは24時間となった。 【.encircled3.】サイトカラシン処理後でも、Eセレクチンの発現は通常と変わらなかった。一方CD44の発現は消失する事なく、かえって増強し48時間後でもなお高度に持続していた。 【.encircled4.】共焦点レーザー顕微鏡による観察では、アクチンフィラメントは紫外線処理やサイトカラシン処理でもほぼ同様の変化を示したが、CD44とアクチンフィラメントとの関連は不明であった。 結論 CD44とアクチンフィラメントとの直接的関係はないように思われる。
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