1994 Fiscal Year Annual Research Report
新第4世代CTによる患者線量およびその健康リスク評価に関する研究
Project/Area Number |
05670765
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 倫明 東京大学, 医学部(医), 助手 (10185697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 恵一 国立公衆衛生院, 研究員 (80202521)
伴 信彦 東京大学, 医学部, 助手 (70251220)
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Keywords | 超高速CT / 第4世代CT / 皮膚線量 / TLD / 臓器線量 |
Research Abstract |
1975年にわが国で始めてCTエックス線装置が導入されてからすでに、20年が経過した。人体の横断面を観察できる装置として注目されたが、心臓などの動く臓器を撮影できるようにするために撮影時間の短縮を目指してさまざまな改良が加えられてきた。最近になり、従来のX線CTと、走査機構の全く異なる、電子ビーム走査方式の新しいCT装置、超高速CTスキャン(IMATRON)が、わが国でも導入されつつある。そこで、著者等は超高速CTスキャンの利用実態の調査を、この装置を導入している全ての医療機関に行うと共に、ファントム実験により患者の被ばく線量を測定・評価し、以下の結果を得た。【.encircled1.】超高速CTを用いた検査としては、腹部検査が最も多く、超高速CTスキャンの本来の適用である心臓検査に用いられるよりも、従来型CTの代替として用いられている場合が多いことが明らかとなった。【.encircled2.】心臓検査の場合の患者線量は、入射面の皮膚線量で約170mGyで、実効線量当量で、15mGyである。【.encircled3.】超高速CTを腹部検査に用いた場合の患者線量は、入射面の皮膚線量で約60mGy、実効線量当量で約10mGyとなり、従来型のCT装置に比べて患者線量が高いことが明らかとなった。超高速CTの本来の目的である心臓検査に用いる場合は正当化されるが、従来型の代替えとして用いる場合には患者線量が数倍高くなることを認識する必要がある。
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