1993 Fiscal Year Annual Research Report
肺門部の画像診断における組織のNMR特性と病理組織像の比較に関する研究
Project/Area Number |
05670769
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
清野 邦弘 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (60020757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 豊 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (30020902)
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Keywords | 肺門部形態 / 肺門リンパ節 / MRI |
Research Abstract |
1.手術肺の伸展固定標本を対象としてMR像を撮像し,術前の胸部X線CT像,術後肺のCT像,及び標本の病理組織像と対応させて正常肺門部の軟部組織シグナルを解析した。リンパ節の形態を中心として以下の結果を得た。 (1)正常肺門リンパ節は気管支や血管の間にあって複雑な形をとることも多いが,T1およびT2強調像で共に,低信号強度域として周囲の軟部組織と分離されて描出された.腫大リンパ節はT1強調像で低信号域として比較的容易に同定できるとされるが,信号強度のみから正常リンパ節と区別するのは難しいように思われる。 (2)脂肪組織はT1,T2強調像で共に高信号強度を示すが,縦隔に接する肺門部を除いてはリンパ節の周囲に脂肪組織は少なく,通常は,気管支壁や肺血管壁が比較的高い信号強度域として描出され,リンパ節周囲の脂肪組織などの結合織として捉えられる可能性がある。 (3)手術前の臨床MR像においては,その分解能が低いために標本MR像によるリンパ節との対応を取り難かった。腫大したリンパ節を利用しての比較検討などが必要と考えられる。 2.肺門部の不整形肺表面に合わせて変形密着できるMRサーフェスコイルとして,ポリイミドフィルム基板に銅箔でフォト・エッチング加工した実験用フレキシブル・サーフェスコイルを,本学工学部との共同研究で作製した。このコイルの入出力特性を明らかにし,またファントームによるMR像を撮像して,その検討結果を平成5年11月のマグネティックス研究会において発表した。しかしこのコイルについてはまだ感度が不十分であり,実際の応用には更に改善,検討が必要である。
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