分化型甲状腺癌の免疫シンチグラフィおよび放射免疫治療の開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05670773
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 御前 隆 京都大学, 医学部, 助手 (60181872)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 阪原 春海 京都大学, 医学部, 講師 (10187031) ; 笠木 寛治 京都大学, 医学部, 助教授 (20115819)
• Keywords: 甲状腺癌 / サイログロブリン / 免疫シンチグラフィ

Research Abstract

英国のスミス博士の研究室より分与された、サイログロブリンに対するヒト型モノクローナル抗体(VB5)が、甲状腺癌細胞に特異的に結合することを高感度の免疫酵素染色(Labeled streptavidin biotin method)で証明することができた。予備的検討にて上記VB5抗体の至適標識条件を決定し、クロラミン-T法にて作成した放射性ヨード(I-125)標識VB5抗体と培養甲状腺癌細胞との結合を確認した。この結合は非標識VB5抗体で阻害され、また抗原であるサイログロブリンの存在下でも低下した。分化型甲状腺癌の試験管内増殖速度は非常に遅いことが知られており、今回の実験にもそのつど手術標本からの初代培養を必要とした。またヌードマウスにヒト甲状腺癌の切除標本ないし初代培養細胞を移植しても定着・増大がみられず、この傾向はマウスをNK細胞に対する抗体で前処置しておいても改善が認められなかった。切除標本や初代培養細胞では甲状腺癌の動物モデルの作成が困難なことが明らかとなってきたので、増殖が早い細胞株をヌードマウスに移植することを計画中である。切除標本由来の癌細胞を長期培養して、自家製の甲状腺癌細胞株を樹立する努力を続ける一方、米国のUCLA腫瘍放射線科学講座で作成された株WRO82-1の分与を受けたので、現在その性状を検討している。

Research Products

• [Publications] T.Misaki: "Rudioiodine uptake by squamous-cell carcinora of the lung" Journal of Nuclear Medicine. 35. 474-475 (1994)
• [Publications] 御前 隆: "甲状腺シンチグラム,甲状腺摂取率" 臨床検査. 37. 611-614 (1993)