1994 Fiscal Year Annual Research Report
免疫調節物質を血管内手術的に局所的に作用させる脳腫瘍に対する新しい免疫療法の開発
Project/Area Number |
05670788
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
池田 実徳 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40221064)
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Keywords | - |
Research Abstract |
本年度は、昨年度得られた成果から、ドラッグデリバリーシステムの改良として、油性造影剤(ヨード化けし油)を塞栓子とする塞栓性懸濁液の処方について検討を加えた。 イオン性造影剤と非イオン性造影剤、油性造影剤(ヨード化けし油)と水相(抗癌剤(ACNUニドラン(R))溶液などを想定している)との配合における混合液(エマルジョン)の安定性について検討を加えた。試験的実験結果から、イオン性造影剤は希釈による造影効果の減弱を最小限に抑えて、この溶液を安定化させる可能性が示された。さらに少量のアルコールは同等の効果があり、血栓原性(thrombogenesity)を示すことから有用性が考察された。 丁度良い配合は、現時点では、ACNU25mg、注射用蒸留水0.5ml、イオキサグル酸(イオン性造影剤)2ml、ヨード化けし油(リピオドール)2.5mlである。この配合比の混合液は、100ミクロン内外の粒状を示し、丁度良い大きさであった。しかし、試験管中で超音波攪拌の後、常温1気圧で一時間ほどは懸濁状態を保ったが、粒状性は懸濁後直ちに増大し安定性が思わしくなかった。エチルアルコールの添加はこのwater-in-oil型のエマルジョンを安定化させることが試験的実験において示された。 今後は、このアルコールの至適配合比を決め、サイズの測定、動物実験を予定している。
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