1993 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌診断におけるコンピューテッド・ラジオグラフィーの有用性の研究
Project/Area Number |
05670790
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
清水 雅史 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20196520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新武 慶興 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20222747)
芦名 謙介 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50247847)
末吉 公三 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30179105)
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Keywords | コンピューテッド・ラジオグラフィー / 肺癌 / ダイナミックレンジ圧縮処理 |
Research Abstract |
Dynamic range(DR)圧縮画像に大きな影響を及ぼすパラメータであるDR圧縮テーブル(DT)を変化させ至適条件について検討した。対象はFCRを用いて胸部撮影の施行された22症例、のべ33回である。従来の左画像1枚出し(A)と、画像処理ワークステーションであるCRstation-1を用いてDR圧縮処理を行い、DT:x(QL値0を出力値-300)としたDR圧縮画像1枚出し(B)、DT:b(QL値0を出力値-500)としたDR圧縮画像1枚出し(C)、の3種類の画像を得た。それぞれの症例の正常構造および異常影の抽出能を4人の放射線科医により5段階評価した。結果は、正常構造については、肺野の抽出能は変化なかったので、縦隔部・横隔膜部を【.encircled1.】気管・気管分岐部【.encircled2.】前接合線【.encircled3.】右傍食道線【.encircled4.】下行大動脈左縁【.encircled5.】心に重なる肺血管影【.encircled6.】心後部の肋骨影【.encircled7.】椎体【.encircled8.】横隔膜に重なる血管影【.encircled9.】横隔膜に重なる肋骨影と項目分けして検討した。結果は、A・B間では【.encircled3.】【.encircled5.】【.encircled6.】【.encircled7.】【.encircled8.】【.encircled9.】の6項目でBが優れていた(P<0.01)。A・C間では【.encircled1.】【.encircled3.】【.encircled5.】【.encircled6.】【.encircled7.】【.encircled8.】【.encircled9.】の7項目でCが優れていた(P<0.01)。B・C間では【.encircled7.】でCが優れていた(P<0.05)。病変部についてはA・C間ではCが優れていた(P<0.05)が、A・B、B・C間では有意差はみられなかった。以上より、幅広いdynamic rangeを有し、縦隔部と肺野部のコントラスト差の著しい部位である胸部のFCR画像にはDR圧縮処理法が有用であるという結論が得られた。DR圧縮処理法の至適条件の比較では、DT:b(QL値0を出力値-500)の方が、DT:x(QL値0を出力値-300)よりも正常構造1項目(椎体)で優れており、縦隔に重なる異常陰影がわずかに見やすくなることから、やや有用と考えられた。
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