1995 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌診断におけるコンピューテッド・ラジオグラフィーの有用性の研究
Project/Area Number |
05670790
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
清水 雅史 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20196520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 公三 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30179105)
楢林 勇 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60122438)
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Keywords | 肺癌 / コンピューテッド・ラジオグラフィー / エネルギーサブトラクション |
Research Abstract |
Fuji Computed Radiography(FCR)粒状改良型エネルギーサブトラクション画像(以下ES)の肺結節影描出能を、疑似結節、臨床例について、ROC解析によりてConventional胸部単純写真(以下Conv)と比較し、その有用性を検討した。 基礎的検討は、直径6mmのアクリル球(CT値100)を疑似結節として、胸部ファントム上に置き、Conv、ES、FCRを撮影した。臨床的検討は、径5mm以上、25mm未満の結節を有する29症例(撮像回数33回)、結節を有しない27症例を対象とした。結節の有無は、CTの肺野条件にて判定した。ConvとESは1週以内に撮影したものに限った。8名の放射線科専門医が読影し、結果をROC解析した。Conv、ES、FCR+ESの各々のROC曲線下の面積AzをPaired T testにおいて比較した。結果は、基礎的検討では、肺血管に重なる部位、1本の肋骨に重なる部位では有意差は得られなかった。2本の肋骨に重なる部位では、FCR+ESがConvよりも有意に優れていた(P<0.05)。縦隔、横隔膜に重なる部位では、ES、FCR+ESはConvよりも優位に優れていた(P<0.01)。臨床的検討では、ESはConvよりもP<0.05で、FCR+ESはConvよりもP<0.01で有意に優れていた ESでは、肋骨影が除去されるため肋骨に重なる部位での結節影検出が容易となり、縦隔、横隔膜に重なる部位においても肋骨影の除去により検出能が向上したものと考えられた。ESにFCRを加えて読影することは、肋骨影を加えた陰影の確認が可能となり更に検出能が向上する。ESのみでは、骨に重なる部位においてConvと有意な差は得られなかったが、疑似結節のアクリル球のCT値が100とやや高かったために、実際の結節影よりもX線透過性が低く、軟部画像にて描出されにくかったことが一因と思われる。臨床例においては、基礎的検討と同様の結果であった。今回の検討結果からはFCR+ESが結節影のスクリーニングに最も適していると考えられる。
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[Publications] 清水 雅史: "肺がん診断におけるコンピューテッドラジオグラフィの有用性の研究" INNERVISION. 9(7). 31-32 (1994)
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[Publications] 小倉 康晴: "胸部X線写真におけるDR圧縮画像の臨床的評価" 肺癌. 34(5). 818 (1994)
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[Publications] 土肥 美知子: "FCR胸部単純撮影における粒状改善型エネルギーサブトラクション画像の検討" 肺癌. 35(5). 692 (1995)