1994 Fiscal Year Annual Research Report
局所放射線照射に伴う晩期影響についてリンパ球の染色体損傷より推定する方法の開発
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05670794
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
後藤 英介 国立予防衛生研究所, 遺伝子資源室, 研究員 (90215484)
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Keywords | 染色体異常 / 染色体ペインティング / 未成熟染色体凝縮法 / オカダ酸 / カリクリンA |
Research Abstract |
平成6年度までは、セントロメア特異的プローブあるいは染色体ペインティングプローブを用い、子宮頸癌あるいは甲状腺癌に対する定型的な局所放射線照射治療により、患者の末梢血リンパ球には全身照射に換算して約1Gyに相当する被曝を受けていることが明らかとされた。セントロメア特異的プローブによる不安定型染色体異常の検出に比べ染色体ペインティングプローブによる安定型染色体異常の検出でより高い被曝線量の算定が示された。 また染色体を効率良く得る目的で未成熟染色体凝縮法の改良を試みた。未成熟染色体凝縮法についてはヒト及びマウスの末梢血リンパ球あるいは樹立細胞株を用い未成熟染色体凝縮を効率良くかつ簡便に行える方法を検討、開発した。使用したいずれの細胞においても、細胞をオカダ酸あるいはカリクリンAを培養液に加え2時間処理を行ったところ、効率良く未成熟染色体凝縮が誘発された。分裂中期様の染色体は従来コルセミドによって得られる分裂中期染色体より高い頻度で得られた。また放射線照射後、従来の方法では染色体を得るのが困難な状況においても本方法では効率良く染色体を得ることが可能であった。また未成熟染色体凝縮法を試みることにより、リンパ球の活性が低く染色体を得られにくかった患者からも染色体標本を得ることが可能となり、データの集積が効率化されている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Eisuke Gotoh,Yohko Asakawa Hiroshi Kasaka: "Inhibition of protein serine/threonine directly induces premature chromosome condensation in mammalian somatic cells" Biomedical Research. 16(1). 63-68 (1995)
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[Publications] Jun Kusuda,Reiko Tanuma,Eisuke Gotoh,Atsushi Toyoda,Katsuyuki Hashimoto: "Assignment of a human autoimmune antigen,p80-coilin gene to chromosome 17q21-q23 and of its possible pseudogene to chromosome14." Human Genetics. 95. 233-234 (1995)
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[Publications] 後藤 英介,大石 幸彦、川上 憲司: "極めて稀な腎腫瘍-Bellini管腫瘍に対する67Gaシンチグラフィの試み" 臨床核医学. 27. 26-28 (1994)
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[Publications] 後藤 英介,持尾 聡一郎,川上 憲司: "脳血流シンチグラフィによる、シャイ-ドレージャー症候群における脳血流測定の試み" 臨床核医学. 27. 2-5 (1994)